...彼女は冷然とした態度で彼に接した...
...彼が告白しても、彼女は冷然として返事をしなかった...
...彼は仕事中でも冷静冷然とした表情を崩さない...
...彼は冷静冷然とした判断力を持っている...
...彼女の冷然な態度に、彼ががっかりした...
...下人は、太刀を鞘(さや)におさめて、その太刀の柄(つか)を左の手でおさえながら、冷然として、この話を聞いていた...
芥川龍之介 「羅生門」
...冷然としたものだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...お繁さんは兄の冷然たる顔色に落胆した風で...
伊藤左千夫 「浜菊」
...それと一斉射撃にて、やがては掃蕩(そうとう)したりしが、冷然として、残忍に、軍は倦(う)みたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...禹徳淳 (冷然と読みつづけて)国民たる義務を尽さずして無為平安に坐せんには青年たちは一斉に起ち上って「われらの安重根! 安重根ウラア!」と口ぐちに歓呼している...
林不忘 「安重根」
...「自由というのは自分の感情と思想とを独立させて冷然と眺めることの出来る濶達自在な精神なんだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...」とガヴローシュは落ち着いて冷然と言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...うんと取りついておやりなさい」お銀様から冷然として言い放されると...
中里介山 「大菩薩峠」
...かなり誤っている記事であろうが、それを明らかに正誤もしないで、恬然(てんぜん)、また冷然、否むしろ揚々として自得の色あるはどうか、文壇に著名なる氏が、一身に負える醜名は、小説壇全体の醜声悪名とならざるを期せざるなりと責め、――いわゆる実験とは如何、不義醜徳を観察するの謂(いい)か、みずからこれを行うの謂か、もし後者なりとせば、窃盗(せっとう)の内秘を描かんとするときは、まず窃盗たり、姦婦(かんぷ)の心術を写さんとするときは、みずからまず姦通を試みざるべからず――と、悪虐を描くためには、悪虐し、殺人にはみずから殺人するか、そんな世間法(せけんほう)な賊は、文壇にどんな功があろうとも齢(よわい)するを屑(いさぎ)よしとしない...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...冷然とキャラコさんを見おろしている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...例の冷然たる声音で...
久生十蘭 「魔都」
...極めて冷然としてこう云った...
森鴎外 「鶏」
...わが心はなお冷然たりしか...
森鴎外 「舞姫」
...不思議なほど冷然と聞いていた呉羽は...
夢野久作 「二重心臓」
...冷然としてなお一本の注射を打とうといい始めた...
横光利一 「花園の思想」
...ご世子のために」孔明は、冷然と、顔を横に振って答えた...
吉川英治 「三国志」
...冷然とはあり得ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...冷然と――「そんなものか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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