...彼女は冷然とした態度で彼に接した...
...彼が告白しても、彼女は冷然として返事をしなかった...
...彼は仕事中でも冷静冷然とした表情を崩さない...
...彼は冷静冷然とした判断力を持っている...
...彼女の冷然な態度に、彼ががっかりした...
...彼の文章は冷然とした中に不思議にも情熱を漲らせてゐる...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...冷然とかう申しました...
芥川龍之介 「地獄變」
...どこかで大きな手が情けもなく容赦もなく冷然と自分の運命をあやつっている...
有島武郎 「或る女」
...私は冷然としてお前の惨死を見守ってこそいるだろうが...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...禹徳淳 (冷然と読みつづけて)国民たる義務を尽さずして無為平安に坐せんには青年たちは一斉に起ち上って「われらの安重根! 安重根ウラア!」と口ぐちに歓呼している...
林不忘 「安重根」
...冷然たるアンナを歓(よろこ)ばせる力があるかのようだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...冷然として昂奮はおかしいようですけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしの方でもまた、弁信、お前なんぞが出ようとも、留まろうとも問題にはしていないが、あの人には逢いたいよ、あの人ばっかりは放せない、目の見えない人が好きなのだよ、わたしは……お銀様の眼は、やはり天の一方を睨めながら、冷然として、こういって言い返してやったつもりだが、昂奮がおのずから形に現われて、お高祖頭巾がわなわなと慄(ふる)えているのを見る...
中里介山 「大菩薩峠」
...冷然たる傍観者の態度がなぜにこの弊を醸(かも)すかとの御質問があるなら私はこう説明したい...
夏目漱石 「中味と形式」
...冷然と空を眺めていた...
久生十蘭 「金狼」
...しかし孤独に立つて冷然と自分の理性をとぎ澄ませてゐることも出来るのである...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...ある朝、冷然と、私は猫の首に輪索(わなわ)をはめて、一本の木の枝につるした...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...残月光曜し山気冷然として膚(はだへ)に透(とほ)れり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...故意に冷然と構えていた...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...ご世子のために」孔明は、冷然と、顔を横に振って答えた...
吉川英治 「三国志」
...冷然と与次郎をかえりみて...
吉川英治 「新書太閤記」
...徳島の城下はいうまでもなく、八郡の代官手代が、血眼になって検索している人間が、捕手や同心の集まっている直面へきて、こう冷然と、みずから名乗って立つばかがあろうか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...帝国主義は冷然として進水式をやっている...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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