...しかもそれをあの女に特有な多恨らしい、冷ややかな、さびしい表現法で、そして息気(いき)づまるような若さと若さとの共鳴の中に……...
有島武郎 「或る女」
...冷ややかな湖面は寂寞(せきばく)として夜を待つさまである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...わたしはとうど思い通りにしてやったいう勝利のほほえみを、――冷ややかな、意地の悪いほほえみを口もとに浮かべて、体に巻きついてるものをだんだんに解いて行きましたが、次第に神聖な処女の彫像が現われて来ますと、勝利の感じがいつのまにやら驚歎の声に変って行きました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...通りすぎる人々の冷ややかな鋭い軽蔑は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...冷ややかな長い線とわびしい直角...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...」と彼は冷ややかな厳格さで言った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...散り敷いた紅葉の冷ややかな敷き物の上に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この知られざる記念碑よ! お前の冷ややかな石の上に...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...裁判官に特有の冷ややかな調子で...
平林初之輔 「予審調書」
...自分の恋しい冷ややかな人が...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...空は曇って冷ややかな風が通っていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やはり昔と同じように冷ややかなあなたに逢っていよいよ自分が哀れな者に思われるのですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...冷ややかなお心を知りましたことによってかえっておさえがたいものに私の恋はなっていきそうです...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そう冷ややかなふうは見せるのでもなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...青い星光と冷ややかな風とのなかを...
吉川英治 「江戸三国志」
...冷ややかな花の孤独と...
吉川英治 「私本太平記」
...冷ややかな笑みをふくんで...
吉川英治 「私本太平記」
...雲冷ややかなはずであるが...
吉川英治 「新・水滸伝」
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