...しかもそれをあの女に特有な多恨らしい、冷ややかな、さびしい表現法で、そして息気(いき)づまるような若さと若さとの共鳴の中に……...
有島武郎 「或る女」
...広い廊下の冷ややかな空気は涼しく病室に通りぬけた...
有島武郎 「或る女」
...冷ややかな湖面は寂寞(せきばく)として夜を待つさまである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...フランシス・ベエコンの冷ややかな毒蛇の目だった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...わたしはとうど思い通りにしてやったいう勝利のほほえみを、――冷ややかな、意地の悪いほほえみを口もとに浮かべて、体に巻きついてるものをだんだんに解いて行きましたが、次第に神聖な処女の彫像が現われて来ますと、勝利の感じがいつのまにやら驚歎の声に変って行きました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...」と冷ややかな言葉...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...冷ややかな緊張した相互関係が固定してしまったのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...彼は自由の冷ややかな愛人であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...散り敷いた紅葉の冷ややかな敷き物の上に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...冷ややかなものです...
宮本百合子 「従妹への手紙」
...どこまでも冷ややかな態度を押し通して変えまいという気に女はなっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の恋しい冷ややかな人が...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「あなた様がこうした冷ややかなお扱いをなさいますのはごもっともですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...冷ややかな風の身にしむように吹き込んでくるのにお誘われになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...風も冷ややかな星月夜だった...
吉川英治 「上杉謙信」
...細仕立(ほそじたて)の乾山(けんざん)の水墨物と香炉には冷ややかな薫烟(くんえん)が...
吉川英治 「江戸三国志」
...冷ややかな友禅の長襦袢(ながじゅばん)を崩して...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...一年も通った南芳庵の冷ややかな禅床(ぜんしょう)と師の疎石とを...
吉川英治 「私本太平記」
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