...苦しけりや頭でも冷やして上げませうか」と照ちやんは再び心配さうに春三郎の顏を覗き込んだ...
高濱虚子 「續俳諧師」
...「此間何も敷かずに晝寢をして腹を冷やしたのが因らしい」といかにも殘念さうに言つて文太郎は彼の股をくゞらせて居たフランネルを力を入れてぐつと引締めた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...井戸で冷やした麦茶を持って行かせなどして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...友人と僕は思わず肝を冷やした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...お葉は小さい洗面器に浸したガーゼで絶えず目の縁を冷やしながら...
徳田秋聲 「浪の音」
...冷やしたまんまで水を汲まれるのが常らしいから...
中原中也 「夏」
...水を次第に冷やしてゆく場合を考える方が分りよい...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...「まだ氷で冷やしているのか」自分はいささか案外な顔をしてこう聞いた...
夏目漱石 「行人」
...さすがの平次も肝(きも)を冷やしましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さすがの平次も肝を冷やしましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...洗面器に水を汲んできて大池の胸を冷やしていました...
久生十蘭 「肌色の月」
...朽ちかけていて幾度か足を踏み込んで肝を冷やした...
松濤明 「春の遠山入り」
...夜中だったがお医者を呼んだら喉が少し赤いというのでルゴールでやいてね、冷やしたり、おなかをあっためたりそんなことをして、どう原因があるということもはっきりせず今日やっと平熱になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...恐怖が一貴族の心を余りにも強く締め・捉え・冷やした結果...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手拭を冷やして来てもらおうか」「まあ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...のべつ鉢合せで胆を冷やした...
山本笑月 「明治世相百話」
...若い女が、よろこび弾(はず)むような足音が梯子段(はしごだん)に聞こえたかと思いますと、「待ったでしょう、相良さん」朱塗りのたばこ盆と、冷やし麦と...
吉川英治 「江戸三国志」
...胆(きも)を冷やして...
吉川英治 「新・水滸伝」
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