...誰も冷かすものはない...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...」義雄はかの女の手を引いてもとの部屋へ這入ると、皆が、「やア、萬歳」と冷かす...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「また、ゆうべも御出馬か」と、氷峰が冷かす...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お綱さんは冷かす...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...残花が相者の下した或る判断を冷かすやうに薄笑ひながら否定して掛ると...
内田魯庵 「人相見」
...『そんな村夫子的御説法は眞ツ平なり』と冷かす...
大町桂月 「久地の梅林」
...裸男口吟して曰く、名にし負ふ箒川べにゆあみしてこゝろの塵も拂はれにけり『箒の縁語にて、塵を拂ふと云ひたるは、氣が利きたるやうにて幼穉なり』と、夜光命冷かす...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...夜光命また冷かす...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...あてになるやうなならんやうな話だあね」「君は昨日その九州から来た連中を赤山へ案内して行つたちふぢやないか」横合から冷かすやうに口を入れたのは雑貨店の庄谷だつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そう遽(にわ)かに可哀そうになった?」私は軽く冷かすように言った...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...電話口ながら何とやら冷かすやうな聲で...
徳田秋聲 「媒介者」
...講談物(こうだんもの)の古本を冷かす者...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...先生冷かすつもりであんな金田家の令嬢なんか引っ張り出されたんだよ」といって苦笑しておられた...
中谷宇吉郎 「冬彦夜話」
...「冷かすから厭(いや)よ」「また何か始めたの」「どうせ慾張だから何を始めるか分らないわ」稽古事の上で...
夏目漱石 「明暗」
...あの爺さんは冷かすのだらう...
原民喜 「街の断片」
...」「アパートぢやあるまいし……」いへばいふで、次々にまぜつ返すやら、冷かすやらで、戯談(じようだん)にばかりなつて、なるほど、これでは容易に可決しないのも道理だ! と登志子も思つた...
牧野信一 「海路」
...揶揄(からか)ふか冷かすかしなければ蟲が收まらなかつた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ここいらの連中が冷かすかも知れないが...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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