...あの母親(おふくろ)ッて奴を冷かしに出かける肝(はら)でさ...
泉鏡花 「婦系図」
...一七その後、吉弥に会うたびごとに、おこって見たり、冷かして見たり、笑って見たり、可愛がって見たり――こッちでも要領を得なければ、向うでもその場、その場の商売ぶり...
岩野泡鳴 「耽溺」
...「煙草を飮んでゐても叱りませんか?」「酒に醉ツ拂つてゐてもいいんですか?」「藝者を連れてゐてもかまひませんか?」などと冷かし初めた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いつかの萬朝報に冷かしてありました...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...氷峰が冷かし半分に淺井に向つて微笑する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...シルヴァーなどは彼の用心を冷かしさえした...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...それで差引損得なしじゃないか」などと自分を冷かした...
夏目漱石 「行人」
...坑夫共の冷かしたのも万更(まんざら)無理ではない...
夏目漱石 「坑夫」
...頭の中が金の事で充満しているから日本人などを冷かしている暇がないというような訳で...
夏目漱石 「倫敦消息」
...と此方もにやにやし乍ら冷かしますと...
西尾正 「陳情書」
...この徳川期の璽光様ともいうべきお竹大日如来を冷かして...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...冷かしてるんじゃありません...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...冷かして帰(かえっ)た事があります...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ロオマンチック派の文士が冷かしたものだが...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...まるで狗児(ちんころ)のようだと云って冷かしていた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...酒をちびちび飲みながら冷かした...
森鴎外 「独身」
...盛んに私を冷かしたものであった...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...それは冷かしのようでもあれば...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索