...肉(み)は燃える、血は冷える...
泉鏡花 「歌行燈」
...」「それだけ、あなたの心が冷えたのでせう?」「なアに」と、云ひ當てられたのを胡魔化すつもりで、「氣候が寒くなれば、それだけ、普通の人間なら、冷える...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そしてその寒い期間は晝夜の分かちなく冷えるのです...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...「晩方になると冷えるようですな?」ヒクラーはいった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...今夜は大方なみ/\ならず冷えることゝ存じますが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...そしてだいぶ冷える...
種田山頭火 「行乞記」
...ずゐぶん冷える、終日臥床、死について考へつゞける、……死ぬることはむつかしい、死場所、死の方法……死の準備、それが私に残された唯一の仕事だ!道明寺糒を食べる、未知の友の温情を味ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...夜間外気が冷えるのと戸外への輻射(ふくしゃ)とのために...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...腰が冷えるで――」南玉が...
直木三十五 「南国太平記」
...冷えるとぼろぼろになって味もさっぱり落ちてしまう欠点がある...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...病弱な・ひねこびた・神経衰弱の・十一歳の少年は、「みんな亡びる、みんな冷える、みんな無意味だ」と考えながら、真実、恐ろしさに冷汗の出る思いで、しばらく其処に立停(たちどま)ってしまう...
中島敦 「狼疾記」
...夕餉(ゆふげ)の膳の上の冷えるのを氣にして居る――平次の家へと急ぐのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足が石のように固く冷える...
林芙美子 「新版 放浪記」
...二十四日にやってみて壕が余り冷えるので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「手足が冷える冷えると思っていたが...
室生犀星 「童子」
...冷えるの当り前のことだわ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...風が出てひどく冷える...
山本周五郎 「青べか日記」
...またからだが冷えると悪いと...
吉川英治 「新書太閤記」
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