...「Le diable est mort」凝灰岩の窓の外はいつか冷えびえと明けかかっていた...
芥川竜之介 「歯車」
...関東に時々襲って来る時ならぬ冷え日(び)でその日もあったらしい...
有島武郎 「或る女」
...すっかり冷えこんでしまいましたお蔭で……」「ははん...
有島武郎 「星座」
...本当に地球が冷えたものだとすると...
海野十三 「第五氷河期」
...滝風は木々の落葉を近寄せず廻廊を登るにつれて時雨冷え木々紅葉(もみじ)せねばやまざる御法(みのり)かな今も尚(なお)承陽殿に紅葉見る十一月十六日 越前永平寺(えいへいじ)...
高浜虚子 「六百句」
...冷え/\とした空気が身に沁むのであったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...遠い町で奏でゝゐる樂隊の騷々しい音が山の冷えた空氣に統一されて...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...身体が冷えるのを恐れて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...冷え切った両腕でかたく犬を抱きしめた...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...ゆき子は冷えた膝を炬燵に入れた...
林芙美子 「浮雲」
...少しばかり冷えて来てゐた...
林芙美子 「浮雲」
...それに不随意な恰好と冷えで胃痙攣を起したのであった...
久生十蘭 「海豹島」
...倉庫の横では絶えず潮流がごうごうと不気味な音を立て、霧の水面を風が吹き渡り、骨まで冷えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...その中へ林檎の裏漉しにしたのを入れてよく掻(か)き交(ま)ぜてそれから器(うつわ)ごと水の中へ漬けると寒い時には一時間位で冷えて固まります...
村井弦斎 「食道楽」
...外には風の吹いている夜の冷えで急には眠れない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...さわさわと昼の明るさのなかでそれだけは冷えた夜の風が...
山川方夫 「その一年」
...冷えはするが天地は静まりきっている...
山本周五郎 「青べか日記」
...冷えた杯を唇へ当てて...
吉川英治 「新書太閤記」
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