...そして布半(ぬのはん)の温泉で冷えた体をあたゝめ...
徳田秋聲 「霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ」
...「晩はまだ冷えるね...
豊島与志雄 「過渡人」
...外は冷え凍えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...冷えきっている珈琲をすすった...
豊島与志雄 「白日夢」
...」「君が共和派の者らを教育するって! 君が主義の名において冷えた魂をまた熱せさせるつもりか!」「どうしていけないんだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これも、よく含んでおいてくれ、ええと――」将曹が、冷えた茶を、口へつけた時、次の間に、荒い足音がして、取次が「伊集院様――」と、云い終るか、終らぬかに、襖を開けて、伊集院平が入って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...従って余計に冷えてまた固まるという工合にして角が伸びて来るんじゃないかという気がする...
中谷宇吉郎 「寅彦夏話」
...その中に戸は段々に冷え掛けて来た...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...秋の夜の薄冷えを火桶に凌(しの)ぎながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冷えきつた躯(からだ)をあたゝめてくれた...
林芙美子 「浮雲」
...少しばかり冷えて来てゐた...
林芙美子 「浮雲」
...冷えた牛肉にかぶりついている男だけになった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...まるで冷えてしまっているよ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...寝冷えをなさらないようにね八月四日夜〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕八月四日 第三十九信昨夜から書きかけていた手紙があったのだが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...冷え切つてゐる空氣は...
室生犀星 「京洛日記」
...しかし顔の色はだんだんに悪くなり、手足がよく冷え、すこしでも抱いていないと火のつくように泣き立った...
室生犀星 「童子」
...これからひとり冷えた山小屋へ戻るのも億劫に感じ...
横光利一 「旅愁」
...あたら冷えることを頭の一部で惜しんでいる...
吉川英治 「江戸三国志」
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