...即座の冷汗と取って置きの膏汗(あぶらあせ)で...
泉鏡花 「婦系図」
...自分の屬してゐる龍土會の諸氏からも――いやな皮肉や冷笑などを當てつけられるのが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...正吉を冷蔵球(れいぞうきゅう)の中に入れで日本アルプスの山中においたまま...
海野十三 「三十年後の世界」
...冷吉は蒲團に這入つた儘...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...ただそれがQの冷罵(れいば)とペルゴレシの音楽とのすぐ後に出くわしたばかりに...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...それが一種の反感に似た冷さで...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...背中と額とに冷たい汗が流れていた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...その冷酷な顔には...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...夜の凉しさが冷たく潤しました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...雪の峯角に冷たい利刃のような閃めきが明滅するや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...貴方の指を冷したのも私ですぜ」健三の頭にはそうした事実が明らかにまだ保存されていた...
夏目漱石 「道草」
...――私だよ」晩春の水の冷たさに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...秋の冷々した風が...
林芙美子 「瀑布」
...足がガラスのように固く冷える...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...冷えたシャンパンを飲んでいる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...なるほど逃げてゆく彼等は忽ち面をかむつてあちこちから万豊を冷笑した...
牧野信一 「鬼涙村」
...「此(この)男忠実にして信用すべき案内者なり」と云ふ様な証明や「但(ただ)し見掛によらぬ辣腕(らつわん)ありと見え彼が妻は西洋人なり」と冷(ひや)かしたものや...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...あの清淨冷徹なにほひ...
吉川英治 「折々の記」
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