...しかし目の中に冴えた光は昔と余り変らなかつた...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...結婚と云ふ事に考へが向くと彼れの眼はぱツと冴えた...
有島武郎 「半日」
...霜も降るべく鋼鐵色に冴えた空には白々と天の河が横はつた...
石川啄木 「赤痢」
...穿(は)いた下駄の古鼻緒も霜を置くかと白く冴えた...
泉鏡花 「遺稿」
...眉をあげた空の辺りに細く冴えた光を懸けて居るのを美しいと思った...
岩本素白 「六日月」
...何やら冴えた声で鳥が啼(な)く...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...異様に冴えた静けさで...
高見順 「如何なる星の下に」
...冴えた霜夜(しもよ)であつた...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...びつくりするほど冴えた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その冴えた鑿のあとがはつきりと線になつて残つてゐるぢやないですか? 僕はスケツチしながら...
田山録弥 「石窟」
...緊張した皮膚が透明なまでに冴えた...
豊島与志雄 「塩花」
...冴えた光りが籠っている...
豊島与志雄 「自由人」
...雲の間から冴えた月が覗いていた...
豊島与志雄 「反抗」
...口笛の上手な少年だっただが夏の朝の澄明さに似たあわたゞしい生活が流れてから境遇と政治の過流が私たちを異った都市と都市との地下に埋めたそして今日―――汽船(ふね)が青く冴えた土佐沖を越えてこの同じ牢獄に...
槇村浩 「同志下司順吉」
...しかもさんの冴えた手腕(うで)を推稱して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
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森川義信 「冬の夜の歌」
...菊日和のよく冴えた日が幾日もつづき...
横光利一 「旅愁」
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