...結婚と云ふ事に考へが向くと彼れの眼はぱツと冴えた...
有島武郎 「半日」
...脳が冴えてなかなか寝就かれない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...眼が冴えて仕方がなかつた...
田山花袋 「朝」
...黄色がかった白色にぱっと冴えていた...
豊島与志雄 「土地」
...そのくせ空を仰ぐと星の光りが冴えて冷たかった...
豊島与志雄 「微笑」
...はた冴えまさる氷雪のきしり...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...」「見ちがへるくらゐ冴えて來たぜ...
室生犀星 「命」
...ちょっと嬌(なま)めかしいくらい冴えた美しさにあふれていた...
山本周五郎 「はたし状」
...失礼ながらあのような天才的な冴えから来た擬古的な折れ曲りとは違う...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...斬り付けた」「冴えた腕じゃったなあ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...クラ暗の中で冴え返って行く自分の神経作用でしかないようにも思われて来たので...
夢野久作 「斜坑」
...次から次へと細かく冴えて行っているその筆致(ふでつき)を見てもわかる...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...じっと澄み冴えて来るのは正しい彼の書体であった...
横光利一 「夜の靴」
...菊日和のよく冴えた日が幾日もつづき...
横光利一 「旅愁」
...晩春にしてはめずらしく冴えた月が研(と)がれています...
吉川英治 「江戸三国志」
...折目正しく神経を冴えさせていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...紲車(きずなぐるま)一二月も近い空の寒々と夕冴えした黄昏(たそがれ)であった...
吉川英治 「源頼朝」
...私も獨りで部屋の隅に床を延べて横になつたが妙に眼が冴えて眠られず...
若山牧水 「山寺」
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