...冴え返る食堂車の中にかすかな匂を漂わせている...
芥川龍之介 「西郷隆盛」
...澄みきった空に冴えていた...
大杉栄 「獄中消息」
...しかし私の期待していたその声は聞こえてくる時もあれば、聞こえぬ晩もあり、聞けば聞いたで眠られず、聞かねば聞かぬで物足りなくて、妙に頭が冴え、このところまったく私も烈しい煩悩の虜(とりこ)となり果てていたのであったが、さて、そうした夜がおよそ幾晩くらいも続いた頃であったろうか...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...妙にしらじらと冴えわたって...
谷譲次 「踊る地平線」
...……酔うても乱れない……山頭火万歳!雲がいつしかなくなつて月が冴えてゐたことは見逃さなかつた...
種田山頭火 「其中日記」
...意識が冴えて剃刀のやうだ...
種田山頭火 「其中日記」
...妙に空気がしみじみと冴えて...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...冴えとがあるのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...叔母は益々眼が冴えてしまつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこへ冴えない顔つきをして順一も戻つて来た...
原民喜 「壊滅の序曲」
...頭のなかが冴えかえり...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...ぎいと冴えて聞えて消えて行く...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...しかもさんの冴えた手腕(うで)を推稱して...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...「わたくしも先刻から二階にどうも足音がしているような気がして、冴えて、ねむれないんですよ、そしたらあなたがまだ起きていらっしゃるんですもの、それでやっと吻(ほっ)としたのですが……」主婦は起き上ったような声で、大声で、誰かにあてつけたように言った...
室生犀星 「三階の家」
...」多門はそう考えているうちに、頭が冴えて来て、行燈のかげに凝然(じっ)と坐ったきり動かなかった...
室生犀星 「ゆめの話」
...ぱっと冴えた浴衣着に...
吉川英治 「剣難女難」
...頭も冴えない心地がしていたのだ...
吉川英治 「平の将門」
...遊びはこれからだというように冴えている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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