...高音(ソプラノ)中音(アルト)の冴えた唄に際立つ次中音(テノル)の調子を交へた...
石川啄木 「鳥影」
...音(ね)の冴えた...
泉鏡花 「婦系図」
...妹は昼のうちはうとうとしてるが夜になると頭が冴えて眠られない...
中勘助 「妹の死」
...乳母の懐に抱かれて寝る大寒の夜(よ)な夜(よ)な、私は夜廻の拍子木(ひょうしぎ)の、如何に鋭く、如何に冴えて、寝静った家中(かちゅう)に遠く、響き渡るのを聞いたであろう...
永井荷風 「狐」
...冴えたセットの音が...
葉山嘉樹 「万福追想」
...死体は鯨の脂肪肉(あぶらみ)かアルコール漬の胎児の標本かというような白けた冴えぬ色をし...
久生十蘭 「湖畔」
...おそろしい冴えようで...
二葉亭四迷 「浮雲」
...頭が冴えて眠付(ねつき)が惡かつた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...ひとつの冴えた痛みに似ていた...
山川方夫 「その一年」
...クラ暗の中で冴え返って行く自分の神経作用でしかないようにも思われて来たので...
夢野久作 「斜坑」
...余程腕の冴えた縄張荒しか...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...月が氷のように冴え返った真夜半(まよなか)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...まばゆくひそやかに冴え返っていた...
吉川英治 「剣難女難」
...さい女の鼓の音は常よりも冴えて...
吉川英治 「新書太閤記」
...そしていよいよチーンと冴え白(し)らけている娘と宋江の仲を笑って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...冴え切っている一党の神経に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...かの寛永年間に腕の冴えをみせた智慧伊豆(ちえいず)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索