...冴えた夜空に鳴り響く...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...あたまは冴えてゐるけれどからだが労れきつてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...こんなに餅をもらうてゐる・星空冴えてくる寒行の大(マヽ)鼓うちだした二月四日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...風さつと袂を吹く時見渡す枯蘆俄にさわぎ眠りし小鳥も飛立つによどみし水に明星の影は動かず冴え行きぬ...
永井荷風 「枯葉の記」
...乳母の懐に抱かれて寝る大寒の夜(よ)な夜(よ)な、私は夜廻の拍子木(ひょうしぎ)の、如何に鋭く、如何に冴えて、寝静った家中(かちゅう)に遠く、響き渡るのを聞いたであろう...
永井荷風 「狐」
...星が冴えて一めんに輝いているのも...
原民喜 「遥かな旅」
...冴えた、トン、トンという音が、広いところに響きわたって行く...
水野葉舟 「黄昏」
...今日はお前の方が頭が冴えてる...
森本薫 「華々しき一族」
...――13――月の冴え渡った冬の深夜であった...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...冴え/″\として眠むられず...
夢野久作 「白くれない」
...わしも尾州の徳川万太郎だ、彼が日本の将軍として納まるなら、自分は海を蹴って、羅馬(ローマ)の王座を占めて見せる」夜になると、かれの眼は冴え、心はしきりと磨(と)げました...
吉川英治 「江戸三国志」
...更に彼の天稟(てんぴん)の冴えに研ぎ澄まされた名剣手...
吉川英治 「剣難女難」
...鎌倉は冴えない景色のうちにあった...
吉川英治 「私本太平記」
...いとど中天に冴えて見えた二十日月(はつかづき)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...大気の冷澄(れいちょう)がすべて刃(やいば)のように冴えてくると範宴は...
吉川英治 「親鸞」
...冬の夜は冴え返っている...
吉川英治 「親鸞」
...剣にも等しい一脈の殺気が迫ってくるところ――どうして冴えている! 奥行の知れない深味がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...月はいよいよ冴え...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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