...しかし彼女の顔色は何も気づかぬように冴(さ)え冴(ざ)えしていた...
芥川龍之介 「春」
...しかしそれよりはもッと冴(さ)えて...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...寝ぼけ眼をこすっていたわけでもなく冴(さ)えきった眼をしていたことといい...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...鐘冴ゆる第六天をもどりけり今日の新聞は徳川慶喜(とくがわよしのぶ)公の薨去(こうきょ)を報じています...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...その荒涼たる人影もない山の端(は)に、磨ぎ澄ましたような物凄い下弦の月が、冴えています...
橘外男 「仁王門」
...讀經――何とも言はれない冴えて澄んだ聲...
田山花袋 「道綱の母」
...古都の風物は日に日に色を増して美しく寂(さ)びてゆくのが冴(さや)かに眼に見えた...
近松秋江 「狂乱」
...鴨の羽音冴えかえって胸にこたえる...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...空が蒼く冴え返って...
豊島与志雄 「慾」
...眼が冴(さ)えて眠れない...
中里介山 「大菩薩峠」
...一行の燈の光も微かながら冴(さ)えていたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その冴(さ)えた力に驚(おどろ)き...
南部修太郎 「三作家に就ての感想」
...ここらの怪奇も生々としていて、冴えている...
正岡容 「我が圓朝研究」
...風のない光の冴えた温かい日には...
正宗白鳥 「吉日」
...冴(さ)えかえって聞えるほど家の中が鎮まったとき...
山本周五郎 「日本婦道記」
...皮膚の色が陶器のように白く冴(さ)えてきたのと...
山本周五郎 「花も刀も」
...急に明るいものが冴えてきた...
吉川英治 「大谷刑部」
...頭は冴(さ)えてしまう...
吉川英治 「新書太閤記」
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