...冬草(ふゆくさ)の類(るゐ)は菰筵(こもむしろ)を以覆(おほ)ひ包(つゝ)む...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...・つめたさの歯にしみる歯をいたはらう・冬山へつきあたり焚火してある・寒い水からいもりいつぴきくみあげた寒い寒い指を傷づけた・たま/\逢へて火を焚いて火を焚いて来るべきものを待つ鴉ないて待つものが来ないけさは郵便がおそい寒ぐもり・新聞つめたし近眼と老眼がこんがらがつて・冬草もほどよう生えて住みなれて・くもりさむい肥をあたへるほうれんさう一月廿二日冷たい...
種田山頭火 「其中日記」
...かげする花のちる・あるけば冬草のうつくしいみち・ウソをいつたがさびしい月のでゝゐる・ウソをいはないあんたと冬空のした(樹明君に)・冬の山が鳴る人を待つ日はかきよせて...
種田山頭火 「其中日記」
...ふるさとの寒空・あすは入営の挨拶してまはる椿が赤い・おわかれの声張りあげてうたふ寒空・ひつそり暮らせばみそさざい・ぬけた歯を投げたところが冬草一月十九日雪へ雪ふる寒さ...
種田山頭火 「其中日記」
...日ねもす日の暖さに恵まれてゐた冬草の葉末にも見られるやうな気がする...
永井壮吉 「冬日の窓」
...非二冬草猶青之説一...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「青塚ノ説」
...真冬草が茫々として...
原民喜 「小さな庭」
...上州あたりでは冬草も除れてないのに...
吉川英治 「篝火の女」
...大地の冬草がみな萎(しぼ)み果て...
吉川英治 「新書太閤記」
...……というて、寺内へおたずねするのも悪いと思うて」「なんぞ、この範宴に、御用があっておいでなされたのか」「え……」梢は、足もとへ眼を落して、河原の冬草を、足の先でまさぐりながら、「ご相談があるんですの」「私に」「あの……実は……」うす紅い血のいろが、耳の根から頬へのぼって、梢は、もじもじしていた...
吉川英治 「親鸞」
...まだ冬草の足もとに絡(から)みつく野を...
吉川英治 「親鸞」
...道の辺の冬草を見まわした...
吉川英治 「源頼朝」
...まだ冬草の枯れたのが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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