...猶冥々の間に自己を生かすものを觸知する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...炎を宿して冥々(めいめい)たり...
泉鏡花 「悪獣篇」
...実に冥々裡(めいめいり)に或る保護に頼(よ)るを感謝するのみ...
関寛 「関牧塲創業記事」
...冥々の間に循環し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...しかし事実上彼らはパノラマ的のものをかいて平気でいるところをもって見ると公然と無筋を標榜(ひょうぼう)せぬまでも冥々(めいめい)のうちにこう云う約束を遵奉(じゅんぽう)していると見ても差支(さしつかえ)なかろう...
夏目漱石 「写生文」
...規約の束縛を冥々(めいめい)のうちに受けている...
夏目漱石 「創作家の態度」
...この美くしさを冥々(めいめい)の裡(うち)に打ち崩しつつあるものは自分であると考え出したら悲しくなった...
夏目漱石 「それから」
...彼らを冥々(めいめい)のうちに繋(つな)ぎ合せているものか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...僕も冥々(めいめい)のうちに彼女から僕の権利として要求していた事実である...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...二人は二人に特有な因果関係を有(も)っている事を冥々(めいめい)の裡(うち)に自覚していた...
夏目漱石 「道草」
...これは漱石が一言の争もせず冥々(めいめい)の裡(うち)にこの御転婆を屈伏せしめたのである...
夏目漱石 「倫敦消息」
...この点(てん)から見ると主人の痘痕(あばた)も冥々(めいめい)の裡(うち)に妙な功徳(くどく)を施こしている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...冥々の間に非常の勢力を逞ふするを得べし...
福沢諭吉 「帝室論」
...かかる改宗を余儀なくせしめたる官公吏の罪冥々裡(めいめいり)にはなはだ重し...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...御壇ノ帳(とばり)の蔭に冥々(めいめい)と立ち並んでいる先祖代々の位牌の御厨子を...
吉川英治 「私本太平記」
...こうして先君の位牌に冥々裡(めいめいり)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...冥々(めいめい)としてわからない...
吉川英治 「親鸞」
...三毒四曼(さんどくしまん)の太虚(たいきょ)にあらわれず悲しいかな仏日はやく没して生死流転の巷(ちまた)冥々(めいめい)たりただ色に耽(ふけ)り...
吉川英治 「親鸞」
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