...古人を買ひ冠ることは稀(まれ)なりと為さず...
芥川龍之介 「八宝飯」
...海の彼岸(ひがん)にゐる文人を買ひ冠ることは屡(しばしば)なり...
芥川龍之介 「八宝飯」
...白井の若旦那の外冠る人がない...
石川啄木 「天鵞絨」
...髪の油に汚れた手拭を独自(ひとりで)に洗つて冠る様になつた...
石川啄木 「天鵞絨」
...それ故以前には水揚場と称してこの泥を冠ると泥が培養になったのだが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...看護婦の冠る様な白い帽子を被(き)せられ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...尉といふ語を自分の頭に冠るのが皆大變偉いことゝ思つた...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...されば中折帽を冠るほどなれば洋服もこれに準じて流行の形に従はざれば釣合はずと知るべし...
永井荷風 「洋服論」
...言わぬか」兵庫は続け様に弓の折を振り冠るのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言はぬか」兵庫は續け樣に弓の折を振り冠るのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...頭巾を冠るに不思議はないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もう一度帽子を目深く冠るあの商売に入ろうかと思った...
松永延造 「職工と微笑」
...そこに掛けてある蓑(みの)を着、笠を冠ると、音のしないように入口の戸をあけた...
山本周五郎 「風流太平記」
...電車に乗る時には鳥打を冠る位の手品は何でもないので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...故郷の親元に送るらしい写真は大抵制帽を冠るので...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...横っチョに冠るのは見もの聞き物に這入る場合...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...東京の学生はみんな出来るだけ制帽を冠るまい...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...鳥打帽を冠る学生諸君たるもの……豈(あに)奮発勉励せずんばあらざるべけんやである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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