...空の円天井が海の上にかぶさつて休んでゐるやうに見える円い線で区切られてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...円い穴がぽかりとあきました...
海野十三 「怪塔王」
...ひくい青い立ち木にかこまれた円い池があります...
鈴木三重吉 「一本足の兵隊」
...円い実は小さな生物か何ぞのように...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...そしてまた飴ん玉のやうに円い頭を掌面(てのひら)で撫であげる...
薄田泣菫 「茶話」
...更にその黒に境(さかい)して大きく円い頬がきれいに頬紅をさして毛並美しく頸にかぶさっているのだから...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...女のような円い白い手が...
太宰治 「春の盗賊」
...なんでも其の電灯は石なんかで壊れないように円い笠を針金の網で包んであるそうです...
田中貢太郎 「提灯」
...茶いろのルバシカ、同じ色の背広、大きな羊皮外套、円い運動帽子...
林不忘 「安重根」
...その円い自然石の側に...
豊島与志雄 「古井戸」
...さても円い面の人があるものだと驚き...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでは地球が円いというのも不思議ではないであろう...
中谷宇吉郎 「地球の円い話」
...貴夫(あなた)の紙入(かみいれ)に」健三は床の間に釣り合わない大きな朱色の花瓶(はないけ)を買うのに四円いくらか払った...
夏目漱石 「道草」
...笑いながら膨れ上る円い灰色の雲...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...そのまん中に円い黒い星座早見が青いアスパラガスの葉で飾ってありました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...その一つ一つの円い光り物は...
武者金吉 「地震なまず」
...円い座布団の上に胡坐(こざ)してゐる蘭軒を...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...人である竜樹が円い月に化けたなどというばかな話はない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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