...彼女の遠慮深さは百円の金を返せと言ふ内容証明の手紙を書かせたのである...
芥川龍之介 「変遷その他」
...」「俺よ……十五円もすっぽろっちまって...
犬田卯 「錦紗」
...家庭円満、妻子と共に、おしるこ万才を叫んで、ボオドレエルの紹介文をしたためる滅茶もさることながら、また、原文で読まなければ味がわからぬと言って自身の名訳を誇って売るという矛盾も、さることながら、どだい、君たちには「詩」が、まるでわかっていないようだ...
太宰治 「如是我聞」
...あの円い顔が長うなって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ピーシチクの掛声――≪Grand(グラン)rond(ロン), balancez(バランセ)!≫(訳注 大円陣...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...一円二円の仕事に働くよりも...
徳田秋声 「あらくれ」
...失敬だがその某会社とかに三万円を投ずるよりも...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...五十二三の名前の通り福徳円満な顔です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大丸横町の岡田学校というのへ月俸金四円也で奉職したのは...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...毎月少なくとも十円位の割合で増加していたのである...
平林初之輔 「犠牲者」
...汽船の笛が円く響きました...
牧野信一 「晩春の健康」
...これは大体に於て「円破党」の反意派なのである...
牧野信一 「貧しき日録」
...時代時代の円天井の移って行っている場処から場処へとくっついて動いて行く...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一円か二円の勝手道具が揃えてある家の少いというのも我邦現時の通患(つうかん)なる似非風流から来ていると思うね...
村井弦斎 「食道楽」
...老父宗円のいる本丸のほうへ歩いて行った...
吉川英治 「黒田如水」
...赤松円心の人数を先に...
吉川英治 「私本太平記」
...とうに赤松円心や足利の与党がいる播磨地方へついているころだ...
吉川英治 「私本太平記」
...しかし南円堂では壁の画が注意をひいた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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