...僕は彼の内心では僕の秘密を知る為に絶えず僕を注意してゐるのを感じた...
芥川龍之介 「歯車」
...とてもだめだろうと内心では思っていた...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...実は私の内心では...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...内心ではこの輩が堂々たる国学または儒林の先賢と肩を列(なら)べる資格があるとは少しも思っていなかった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...内心では小一條の女御に對する御門の愛が...
田山花袋 「道綱の母」
...表面に見せかけているほどには内心では敬意を持たずに...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...母は内心では郷里の家へも帰るつもりらしい...
外村繁 「日を愛しむ」
...彼は権威を得また名声を博したにもかかわらず、内心では、少しも音楽に通じていないことを知っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内心では、自分より世間のほうが道理でないとは確信できなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内心では保子を恋したのではあるまいか?……そうだとは...
豊島与志雄 「反抗」
...ただ内心では大いに驚いた...
夏目漱石 「坑夫」
...内心ではよほど覚束(おぼつか)なかったが...
夏目漱石 「文鳥」
...彼は内心では完全にヴォートランに身を委ねていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...だから彼の行動を皆な内心では案じてゐたが...
牧野信一 「F村での春」
...然るに内心では、「ヤレヤレ又馬の糞議員共が寄り集まった...
夢野久作 「鼻の表現」
...これへ乗ってとにかく今宵は妾(わらわ)の寮へお越し遊ばすがようござります」「でもそれは……」彼は遠慮ともつかずただ一応だけの生返辞をしたが、内心では、すくなからず御方の振舞に好奇心を抱き、この女(ひと)に近寄って、この女(ひと)の本体の相(すがた)を見極めたいような気持もしていた...
吉川英治 「剣難女難」
...李逵の内心ではヘソ茶ものだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...五たとえまだ吉水へ残っている学僧たちでも、表面は平静を装っているものの、内心では、みな多少の懐疑を持っているらしく、「一体、栂尾(とがのお)の明慧の論は、念仏門のどこがいけないというのだろうか」寄るとさわると、それが話の中心になって、やはり気にかけているふうだった...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索