...いづれも内心では「人は文なり」と思つてゐるらしい...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...遂に私の内心では決心を断行する勇気が出ないかと云ふ自身の弱い意志への憤怒に燃えた...
伊藤野枝 「感想の断片」
...実は私の内心では...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...内心では恟(きょう)々としていた...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...炭やき爺さんとしては、一彦のさしずでもって煙信号をつづけているのですが、内心では、これが果してふもと村に通じるかどうか、きっと自分の竹法螺の音は村人の耳にはいっても、一彦がいま自分にゆだねたこの長ったらしい通信文は、とてもふもと村に達しはしまいと思っていたのです...
海野十三 「怪塔王」
...内心では「こいつも同じ穴の貉(むじな)だわい」とひそかに監視しながら...
大阪圭吉 「闖入者」
...内心では軽蔑しながらも表面では讃美するものもあるし...
戸坂潤 「社会時評」
...彼も内心ではやはり不滿だったのである...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...」青木は考え込む風を装いながら、内心では、いよいよ来たなと思った...
豊島与志雄 「擬体」
...しかし彼らは内心では信じていないということをみずから知りたがらない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして内心では、ある遺憾の念を覚えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内心では変に苛立ったり冷淡を装ったりするのは...
豊島与志雄 「反抗」
...内心では、諦めの念が濃くなっていったのであろうか...
豊島与志雄 「山吹の花」
...ただ内心では大いに驚いた...
夏目漱石 「坑夫」
...結婚の日取りまできめるくらいに事が捗(はか)どったて」「結構な事で」と申したがこれで結婚をしてくれては少々困ると内心ではひやひやして聞いている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...内心では夫々對手の子供等を輕蔑し...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...そんな場合に殊の他内心では見得を切りたがる隱岐は...
牧野信一 「痴日」
...負けず嫌ひの虚榮心に富んだ感情的のものであるだけ内心では種々(いろ/\)と思ひ耽ることが多い...
若山牧水 「一家」
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