...僕は彼の内心では僕の秘密を知る為に絶えず僕を注意しているのを感じた...
芥川竜之介 「歯車」
...多くの知識人は依然として内心では自由主義にあこがれ...
石原莞爾 「最終戦争論」
...内心では恟(きょう)々としていた...
海野十三 「宇宙女囚第一号」
...内心では蛇と狼とのように睨(にら)み合(あ)っていたのだ...
海野十三 「恐しき通夜」
...炭やき爺さんとしては、一彦のさしずでもって煙信号をつづけているのですが、内心では、これが果してふもと村に通じるかどうか、きっと自分の竹法螺の音は村人の耳にはいっても、一彦がいま自分にゆだねたこの長ったらしい通信文は、とてもふもと村に達しはしまいと思っていたのです...
海野十三 「怪塔王」
...内心では、自分より世間のほうが道理でないとは確信できなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内心では自惚れていた...
豊島与志雄 「復讐」
...そして内心では少し不満を覚えながら...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それでいて内心ではあの事が始終(しじゅう)苦(く)になるんです...
夏目漱石 「明暗」
...内心では大いに軽蔑(けいべつ)していた...
夏目漱石 「門」
...内心では夫々對手の子供等を輕蔑し...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...彼は内心では完全にヴォートランに身を委ねていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...内心では、聞いたことは事実にちがいないと次第にはっきり信じられて来たのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...ふだん内心ではそくばく気が咎めないとはいいえない...
山本周五郎 「思い違い物語」
...内心では悪魔の道を信仰して...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...自然内心では男を甘く見るという事も少くないと存じます...
与謝野晶子 「産屋物語」
...これへ乗ってとにかく今宵は妾(わらわ)の寮へお越し遊ばすがようござります」「でもそれは……」彼は遠慮ともつかずただ一応だけの生返辞をしたが、内心では、すくなからず御方の振舞に好奇心を抱き、この女(ひと)に近寄って、この女(ひと)の本体の相(すがた)を見極めたいような気持もしていた...
吉川英治 「剣難女難」
...――北条家との縁故などは、とうに薄れ去っておるし、日ごろのお口ぶりからも、鎌倉の悪政には、事ごと、お憤りをもらしておられる」「では、朝廷のお企てに、内心では、好意を寄せておられるものと、見てよかろうか」「……とも、お口には出したことはない...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索