...内供の俗でない事を仕合せだと云った...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は、こう云う時には、鏡を箱へしまいながら、今更のようにため息をついて、不承不承にまた元の経机(きょうづくえ)へ、観音経(かんのんぎょう)をよみに帰るのである...
芥川龍之介 「鼻」
...それからまた内供は...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は人を見ずに...
芥川龍之介 「鼻」
...内供のような鼻は一つも見当らない...
芥川龍之介 「鼻」
...内供が人と話しながら...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は、震旦(しんたん)の話の序(ついで)に蜀漢(しょくかん)の劉玄徳(りゅうげんとく)の耳が長かったと云う事を聞いた時に、それが鼻だったら、どのくらい自分は心細くなくなるだろうと思った...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は、信用しない医者の手術をうける患者のような顔をして、不承不承に弟子の僧が、鼻の毛穴から鑷子(けぬき)で脂(あぶら)をとるのを眺めていた...
芥川龍之介 「鼻」
...内供はそこで、幾年にもなく、法華経(ほけきょう)書写の功を積んだ時のような、のびのびした気分になった...
芥川龍之介 「鼻」
...講堂の外で内供と行きちがった時に...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は、誦(ず)しかけた経文をやめて、禿(は)げ頭を傾けながら、時々こう呟(つぶや)く事があった...
芥川龍之介 「鼻」
...内供はなまじいに...
芥川龍之介 「鼻」
...内供は、仏前に香花(こうげ)を供(そな)えるような恭(うやうや)しい手つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた...
芥川龍之介 「鼻」
...「日本国内供奉翻経大徳霊仙元和十五年九月十五日到此蘭若」としてあった...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...池の尾と云ふ所に禪珍内供と云ふ僧住き……此の内供は鼻の長かりける五六寸許也ければ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...彼はその中にそのやうな鼻によつて傷けられる内供の自尊心の爲の苦しみを描いてゐる...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...それから内供の長かつた鼻をいくらか同情を以て見てゐた人々がその鼻が短くなると急につけつけと笑ひ出した傍觀者の利己主義を描いてゐる...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...――内供が、理由を知らないながらも、何となく不快に思つたのは、池の尾の僧侶の態度に、この傍觀者の利己主義をそれとなく感づいたからに外ならない...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
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