...松原からの縁談がもう一月の餘もバタリと音沙汰がないのを内々心配してゐたので...
石川啄木 「鳥影」
...すでに内々はきまっているのかも知れないのである...
犬田卯 「錦紗」
...陣場夫人としてそれもまあ無理のないことかも知れず、幸子も内々、怒っているのではないだろうかと、気が咎(とが)めていたからこそ、そう聞かされて一層はっとしたのではあるが、それにしても丹生夫人は、何で突然あんなことを云い出したのだろうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...或(あるい)は内々気がついたかも知れないが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...俺が起き上るのを内々待ち受けていて...
豊島与志雄 「神棚」
...それとも内々予防線を張ってるのか...
豊島与志雄 「反抗」
...内々談合してのう...
直木三十五 「南国太平記」
...内々融通してもらふ事があるらしいので...
永井荷風 「来訪者」
...だから長蔵さんが人を周旋する男にも似合わず、自分の身元について一言(いちごん)も聞き糺(ただ)さなかったのは、変と思いながらも、内々嬉しかった...
夏目漱石 「坑夫」
...――内々で番頭に逢ひてえが」「その事でございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内々は高利の金も廻し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...元久二年六月廿一日の條に牧御方請朝雅(去年爲畠山六郎被惡口)讒訴、被鬱胸之、可誅重忠父子之由、内々有計議、先遠州被仰此事於相州並式部烝時房主等、兩客被申云、重忠治承四年以來、專忠直間、右大將軍依鑒其志給、可奉護後胤之旨、被遺慇懃御詞者也、就中雖候于金吾將軍御方、能員合戰之時、參御方抽其忠、是併重御父子禮之故也(重忠者遠州聟也)而今以何憤可令叛逆哉、若被弃度々勳功、被加楚忽誅戮者、定可及後悔、糺犯否之眞僞之後、有其沙汰、不可停滯歟云々同廿三日の條にも相州被申云、重忠弟親類大略以在他所、相從于戰場之者、僅百餘輩也、然者企謀反事、已爲虚誕、若依讒訴逢誅戮歟、太以不便、斬首持來于陣頭、見之不忘年來合眼之眤、悲涙難禁云々とあり若此等の記述にして事實ならば、義時が重忠を以て忠孝節烈の士となしこれを敬愛しこれを辯護すること至れりといふべし...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...極内々に父母に語るか...
福沢諭吉 「新女大学」
...私どもは内々不平であつた...
三木清 「辞書の客観性」
...」此文と前日の「御内々月給金五両受取」と云ふ文とを合せ考へて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...内々お許を戴(いたゞ)いて死骸(しがい)を引き取りました...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...総督から内々(ないない)で吹き込まれた……というと実に素晴らしい...
夢野久作 「爆弾太平記」
...執権の君より内々のおむねを受けて...
吉川英治 「私本太平記」
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