...突然日本に帰って来たりなぞしてからわたしは内々監視までされるようになりました...
有島武郎 「或る女」
...内々危(あやぶ)んだ胸へひしと...
泉鏡花 「海異記」
...すでに内々はきまっているのかも知れないのである...
犬田卯 「錦紗」
...右内々に懇々と親しく御はなし可申上候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...内々(ない/\)喧嘩の心積りをしてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...内々心配もしていてくれるようですが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...たゞ内々で大納言の妻である人と契(ちぎ)り...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...何事にも無頓着(むとんじゃく)ですからな」「それじゃその教員がいたんですね?」「ええ」「それじゃまだ知らずにおりましたのですか」「内々は知ってるでしょうけれど……表向きはまだ発表してないんです...
田山花袋 「田舎教師」
...クリストフの優秀さを内々認めてやる気になった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内々で手分けをして探してみたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...内々にして置いたから...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...内々は同じ年の眞太郎さんに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...診察治療の必要に迫れば極内々に患者又は其家人に之を告ぐるのみ...
福沢諭吉 「新女大学」
...友には内々(ないない)で種々(いろいろ)と奔走して見たが...
二葉亭四迷 「平凡」
...「どうぞ」「ちょいと内々ご相談いたしたく――存じまして」きつい眼をした安倍誠之助が唇をふるわせながらそう言った...
本庄陸男 「石狩川」
...この人たちがこんなに驚くほどだから」と内々愉快に堪えず...
村井弦斎 「食道楽」
...……あまりに鮮やかなので、不審に思って、内々、取調べてみますと、われわれの手には及ばなかったはずです...
吉川英治 「三国志」
...坂東武者というやつは、元来がそういうところで自己を託している人間の将器というものの軽重(けいちょう)を、内々、測(はか)っているやつだ...
吉川英治 「私本太平記」
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