...御帰りを待って内々その運びにという事で……それを能くあなた様には御存じで」「いや...
江見水蔭 「備前天一坊」
...内々舌をまいていましたが...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...内々心配もしていてくれるようですが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...または内々審議会入りをしたがったりしたらしいが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...種子が形見の貴金属類は内々(ないない)でとうの昔売り飛(とば)された後である...
永井荷風 「ひかげの花」
...然るに親族の中今日上院の議員となり居れる何某の如きは墓石に位階勲等を記入せんとし又某県の知事を勤めいたる何某の如きは某寺の僧より内々頼込まれたる事でもありしと見え家翁の平素より釈氏を好まざりし事を知りながら仏葬せよといいたる事なぞあり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...それのみならず、盟主と頼む道庵は、十八文をふりかざして、大いに貧民の味方らしくは振舞っているが、酒気に乗じて横暴を揮(ふる)い、独断を通し、時には暴力を以て、子分の者の頭にガンと食(くら)わすことなんぞもあるものですから、内々、反抗気分を蓄えていないではなかったが、存在する間は道庵の威力如何(いかん)ともし難く、暴力をもってガンと食わせられても、道庵のはあんまり痛くありませんでしたから、我慢をしていましたが、我慢しきれないのは、さほどに横暴を極めながら、同志の者に廻す小遣(こづかい)がいかにも道庵並みにシミッタレていたことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...公方(くぼう)から下し置かれる内々の御褒美金てやつが...
中里介山 「大菩薩峠」
...内々で御貸下げ下すった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御檢屍も内々に願ふ術(て)もあるでせうが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...地主で内々は高利の金も廻して居ると言はれる五十男...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内々に此方の用をたして...
樋口一葉 「たけくらべ」
...程経(ほどへ)て後に内々嶋津から聞きました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そして、内々、「この味氣ない世の中に住み終つて後では、光明淨土へ入る望みはないものか...
正宗白鳥 「假面」
...人には内々だったが官舎の二階で校正もすれば発送の宛名をさえ書いた...
柳田国男 「予が出版事業」
...あらかじめ内々のしたくはすでにすすんでいたことがわかる...
吉川英治 「私本太平記」
...坂東武者というやつは、元来がそういうところで自己を託している人間の将器というものの軽重(けいちょう)を、内々、測(はか)っているやつだ...
吉川英治 「私本太平記」
...「じつは蔭では内々...
吉川英治 「新・水滸伝」
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