...内々(ないない)あの大鼻をうごめかしては...
芥川龍之介 「竜」
...内々大福餅がお好きだぐらいなもんですよ...
泉鏡花 「婦系図」
...内々奥畑と云う青年に対する愛憎(あいそ)尽かしが含まれているのではあるまいか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...実は内々責任を感じておりましたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は内々、ナオミがどんな態度を取って西洋人と応対するか、興味を持って待ち受けていましたが、ふだんは己惚(うぬぼ)れの強い彼女も、夫人の前へ出てはさすがにちょっと狼狽(ろうばい)の気味で、夫人が何か一と言二た言云いながら、威厳のある眼元に微笑を含んで手をさし出すと、ナオミは真っ赤な顔をして何も云わずにコソコソと握手をしました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...内々私も少しほっとした形なの...
徳田秋声 「縮図」
...吾も内々(ない/\)靴のかゝとを上げ下げして...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...白井さんの方ぢや内々奥さんの財産に目をつけて病気の悪くなるのを待つてゐるんだなんて...
永井荷風 「来訪者」
...内々はずいぶん悪辣(あくらつ)な金の絞り方をなしたものと見えます...
中里介山 「大菩薩峠」
...大里玄十郎の暮し向の事を訊くと疊屋の主人が言つたのは、まるつ切り大嘘(おほうそ)、質屋へ資本(もとで)を廻して居るどころか、――その日の物には困らない迄も、暮しが贅澤なのと、娘のお才が派手好みなので、内々、腰の物までも曲げることがあると言ふ話――「近頃疊屋とすつかり眤懇(ぢつこん)になつたやうですから、いづれあの娘を、駒次郎へ押し付ける積りでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こいつは内々溜飮(りういん)を下げて居る奴が多いぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内々要愼はして居たといふことですよ」「怪しいことゝ言ふと」「旅の女を助けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...極く内々(ないない)の話だが...
二葉亭四迷 「平凡」
...友には内々(ないない)で種々(いろいろ)と奔走して見たが...
二葉亭四迷 「平凡」
...爺さんは内々これを快としていない...
矢田津世子 「神楽坂」
...ドンナ新鋭の武器を内々で取揃えさしているか判明(わか)らないから……成る程のう……それは事実だ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...各部の諸大将の任命も内々決定していたのであるが...
吉川英治 「三国志」
...こんどはその政治機構の人選を内々ですすめていた...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索