...けれども共同とか何とかわい/\云つてゐる人達はそんなことを云ひながら内々はみんな自分のいゝやうにしたくてたまらないのです...
伊藤野枝 「従妹に」
...順序上先ず読売の最高顧問たる高田早苗(たかださなえ)に内々打明けた処が...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...内々其沙汰有りて...
太宰治 「右大臣実朝」
...いつか一度はそれが爆発することを内々覚悟していましたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...内々(ないない)少し太り掛けていると云う風の体附きである...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...内々で売り物に出てるのを...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...マリユスは警察の方には内々にせざるを得なかったが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...内々で手分けをして探してみたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...内々(ないない)は怖(こわ)がっていました...
夏目漱石 「私の個人主義」
...内々で搜した樣子は無かつたらうか」「そんな事もあつたやうで御座います...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内々にしてくれるやうにと頼まれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...癪にさわるが、少し待遇をよくして、『無茶苦茶に叩き出さない』位のところにしようと、内々、恥しい話だが考えているんだ」大山は、山が抜けでもしたように、勢こんで喋舌った...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...そのことを内々心配していたんでしょう...
平林初之輔 「或る探訪記者の話」
...「どうぞ」「ちょいと内々ご相談いたしたく――存じまして」きつい眼をした安倍誠之助が唇をふるわせながらそう言った...
本庄陸男 「石狩川」
...……俺は小さい時から一種の精神異状者に生れ付いているのじゃないか知らん……なぞと内々(ないない)で気を付けるようになったものである...
夢野久作 「木魂」
...「佐々木と申すか」「は」「ちか頃の扱いは、鎌倉の命か、そちの計らいか」「公(おおやけ)でもなく、一存でもございませぬが、内々には、相模入道(高時)どののおゆるしをえております」「公(おおやけ)でなく」「はっ」「……そうか...
吉川英治 「私本太平記」
...穴蔵など造って内々家産を地下に匿(かく)しておいたり...
吉川英治 「新・水滸伝」
...召されて将軍家から内々に秘命をうけた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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