...内々大福餅がお好きだぐらいなもんですよ...
泉鏡花 「婦系図」
...それに私にはまた私だけの内々の楽しみなことがございまして...
橘外男 「蒲団」
...おりんも内々猫には閉口してゐたのであつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...俺が起き上るのを内々待ち受けていて...
豊島与志雄 「神棚」
...これはわしが内々十住心論に就て難じていたことが聞えたのであるよな...
中里介山 「法然行伝」
...内々俺だけその御沙汰に漏れるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一人一人に内々(ないない)で訊きたい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...癪にさわるが、少し待遇をよくして、『無茶苦茶に叩き出さない』位のところにしようと、内々、恥しい話だが考えているんだ」大山は、山が抜けでもしたように、勢こんで喋舌った...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...朋友と内々(ないない)の打合せは出来た...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...内々危ぶみつゝ文法を読み読み...
二葉亭四迷 「エスペラントの話」
...実は内々、ある危惧を制することができなかったのだけれども...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...内々カストリを売り...
宮地嘉六 「老残」
...内々の事を何一つしらべるでもなく只「血続き」と云う事ばかりをたのんで...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...夫人が内々で妻の松子に宛てて...
夢野久作 「少女地獄」
...ドンナ新鋭の武器を内々で取揃えさしているか判明(わか)らないから……成る程のう……それは事実だ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...内々わたしにも話をもちかけているくらいだから...
吉川英治 「大岡越前」
...実は、われら将軍家に扈従(こじゅう)の輩(ともがら)、当国の朝倉殿こそは、唯一のお味方たる大名と、頼みにいたしぬいて、今日まで内々、数度の交渉やら、お縋(すが)りもいたしたなれど、最後の御返辞、延々(のびのび)のまま、いつになるとて御一決のもようは相見えません」「……むむ」「その間に、朝倉殿の内政、御事情など、静かに観(み)てあれば、それも道理、孤立の公方家(くぼうけ)を擁(よう)し、天下を敵とするも起つなどという、御気概もあろう筈はなし、縋(すが)るわれらが、無理ということが、よく分って参った...
吉川英治 「新書太閤記」
...浪士一党の裁決が内々予告されたのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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