...和尚は待ち兼ねてゐたやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...その公用人をも兼ねていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...このうえ無礼を申すと手は見せぬぞ」擬いの神尾主膳は堪(たま)り兼ねて刀を押取(おっと)ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...大口をあいて無遠慮に握飯(おむすび)を頬張ることもなり兼ねていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...その探索をも兼ねてあの役人が出張したということ...
中里介山 「大菩薩峠」
...岡つ引としての平次の身分を忘れ兼ねて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼奴は何うかしましたか」平次は耐へ兼ねて訊きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お品さんはどうしたんです」ガラッ八はたまり兼ねて後ろから首を突込みました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――お京さんの危ないところを見兼ねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...用人を兼ねている定吉という白い道服の中年男とともに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前さん」お静はたまり兼ねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...切り出し兼ねてワクワクして居りました...
野村胡堂 「流行作家の死」
...隆吉に気を兼ねての云ひぐさだつたのだらうが...
林芙美子 「瀑布」
...きわめて古いという性格とを奇妙に兼ねている低くて長い建物が...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...その重みにたえ兼ねて折れたものもあった...
本庄陸男 「石狩川」
...今は近江守(おうみのかみ)で左中弁を兼ねている良清朝臣(よしきよあそん)の娘がなることになっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...幾人かの王族貴族はこの屈辱に堪え兼ねて兵を起そうとしたが...
和辻哲郎 「鎖国」
...「武家衆」はこの国衆の反抗に敵し兼ねて要求に同意し山城の国から撤退した...
和辻哲郎 「鎖国」
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