...兼て計画の失敗は覚悟していても...
芥川龍之介 「妖婆」
...兼て脚本を作つたらそれをしツかりやつて呉れるものが欲しいと考へてゐるところだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...兼ての内存と符合致し頻(しき)りに西洋周遊の念差起り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...そこで兼て藩から幕府に願って...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...実は米刃堂より依頼の用談を兼てなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...酒井好古堂兼て誂へ置きたる国周の錦画開化三十六会席を持来る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...兼て宗教その者の本質を示すものではなかろうか...
西田幾多郎 「愚禿親鸞」
...私は兼て知て居るから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...兼て御存じの日本臣民で御座(ござ)ると云うような調子で...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...兼て腕に覚えのある米搗(こめつき)を始めて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...竜巻村の村長から兼て噂に聞いてゐたところの...
牧野信一 「風流旅行」
...兼てS君が郷里の話をするたびに幾度か聞いて...
水野葉舟 「土淵村にての日記」
...お酌をしてゐるお米が見兼て仲に入つた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...情人(をとこ)と別れる爲めに入用の金を貸してくれと云はれたとは云ひ兼て...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...急に思い立ってお関は兼てから主人に話してある養子の話を進行させて迎えにY市へ行く事を云い出した...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あの男は兼て一度京に上りたいと申してをりました...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わたくしはこの崖をもこの小家をも兼て知っていたが...
森鴎外 「細木香以」
...拙者は兼てから祖母が非常に記憶力が減退していると聞いていたが...
夢野久作 「謡曲黒白談」
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