...そして何(な)んともいえぬ威厳(いげん)と温情(おんじょう)との兼(か)ね具(そなわ)った...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...兼(か)ねて、襲来するかもしれないと思われていたのであるが、いま斯(こ)うして、北海道と、青森県の、ほぼ中間を覘(ねら)って、大挙襲来しているのを知っては、流石(さすが)に、戦慄(せんりつ)を感じないわけに行かなかった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...兼ねて午食せむと...
大町桂月 「杉田の一夜」
...しばらくして冗談的口調で『皆んな待兼ねたでせうね』と申します...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...今晩避難の意味を兼ねて湖中に出でたということは...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうでせう」主人又兵衞はこの爭ひを見兼て口を容れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...東宮博士大学頭範雄の三男の範兼を葛木の婿にえらび...
久生十蘭 「無月物語」
...私は一度右の帝室博物館の天産部に兼勤していたことがあった...
牧野富太郎 「寒桜の話」
...社長兼編輯長の山本は...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...おっかさん役おかみさん役兼任のため...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...真偽のほどはわからないが、お兼と寝た男は、きまってしっつぁんの訪問を受ける...
山本周五郎 「青べか物語」
...雑貨と洋食屋を兼業している家の二女で...
山本周五郎 「青べか物語」
...こんな気兼をしていらっしゃる...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...身方(みかた)の親戚知友はもとより新夫人の両親骨肉及(および)「鷹の宿」の隣家に住める医師、兼、弁護士の免状所有者にして、篤学(とくがく)の聞え高きランドルフ・タリスマン氏迄も招待して、盛大なる華燭の典を挙げ、附近住民をして羨望渇仰の眼を瞠(みは)らしめぬ...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...兼好も京へ帰る身なので...
吉川英治 「私本太平記」
...前々から山木判官兼隆の祈祷(きとう)の師で...
吉川英治 「源頼朝」
...尤も所長兼小使だが……」冗談らしくいったが...
蘭郁二郎 「植物人間」
...平戸訪問を兼ねて博多へダルメイダを派遣することに決したのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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