...一切の藝術世界に妥當なる空想を兼有して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...兼家がやつて來て...
田山花袋 「道綱の母」
...私は兼々、学問上のフェヤプレーという空想を実地上において仮定することにきめているのであり、学問に関する限りフランクであることをブルジョア道徳として尊重することにしているのだが、この手紙を読んで、この仮定は考え直さなくてはならぬと思った...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...即ち今若し名實兼備の首領ある政黨にして内閣を組織せば...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それを兼実は頻りに歎いて...
中里介山 「法然行伝」
...晝近くなつて兼次はひよつこり歸つて來た...
長塚節 「芋掘り」
...私は隣の座敷へひどく気兼があつたからである...
長塚節 「隣室の客」
...あなたの話を傍(そば)で聞いていると」お兼さんは笑いながらこう云って真面目(まじめ)な夫に注意した...
夏目漱石 「行人」
...あきらめ兼ねて居ります」お新はさう言つて又泣くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きり出し兼ねる樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の帰りを待兼たように...
二葉亭四迷 「平凡」
...書記兼医師スチュワード・エルドリッチを四千ドルであった...
本庄陸男 「石狩川」
...いい加減にしろ」堪り兼ねて玄正が...
正岡容 「小説 圓朝」
...たった一人誰に気兼ねもなく...
山本笑月 「明治世相百話」
...水夫の兼(かね)の野郎が代表で談判に来た...
夢野久作 「難船小僧」
...それまでは矢代は千鶴子に物いうにも久慈に気兼ねを要したのに...
横光利一 「旅愁」
...大勢の供を道ばたにのこして、一人こっちの方へ近づいて来る騎馬の武将を見いだすと、「オ、六角(ろっかく)殿でしたか」と、兼好の顔には、旧知の人に会ったとするなつかしみよりは、すぐ地獄で仏と、すがりたいようなものが正直に出てしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...上皇とおなり遊ばしてからは後鳥羽院と申し上げているあの御方(おんかた)ほどな達人は先ずあるまいと下々(しもじも)の評でございまする」禅閤兼実(かねざね)はうなずいて...
吉川英治 「親鸞」
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