...兼てより懇意(こころやすく)せし...
巌谷小波 「こがね丸」
...父の輝国から貰った兼光(かねみつ)の業物(わざもの)であったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...兼子は頭を垂れて唇をかんだ...
豊島与志雄 「子を奪う」
...その公用人をも兼ねていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...実は米刃堂より依頼の用談を兼てなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...とても表通りのお歴々と同じようなお附合いは致し兼ねまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友も堪り兼ねて...
中里介山 「大菩薩峠」
...秀吉や家康をさえ食い兼ねない男でしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...親分子分の盃でも受け兼ねまじき真剣さも見て見られようというものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...それぢや兼次の家は財産は足らぬが貰ふといふなら一層の事おすがをやつたらよからう...
長塚節 「芋掘り」
...僕は今までそんなに心掛けて居られたかと思ふと喫驚もするし氣の毒でもありどうといつてうまい挨拶も出來兼ねるので「一家の事情が當時許しませんものでしたから……いやどうもこんな所で何も差上げるものも御座いませんがどうか」といつて酒保へ連れて行つた...
長塚節 「開業醫」
...――本当は兼松を殺したかったんだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...我我は一人にして詩人と音樂の作曲家とを兼ねることができない...
萩原朔太郎 「青猫」
...お兼はまるつきり氣が利かなかつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...兼好は気がついて...
吉川英治 「私本太平記」
...たとえば道誉が、すね法師酒のむときはすねもせずと、言ってからかったりすると、兼好も負けずに、すぐ筆をとって、婆娑羅(ばさら)な殿を肴(さかな)にもすると下(しも)の句(く)をつけ、共に大笑いするといった風な仲にすぎないのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...尤も所長兼小使だが……」冗談らしくいったが...
蘭郁二郎 「植物人間」
...やはり一条兼良(いちじょうかねら)(一四〇二―一四八一)のほかはないであろう...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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