...兼(かね)て和主が物語に...
巌谷小波 「こがね丸」
...彼は一つ間違うと気違いになり兼(か)ねぬ様な素質を多分に持っていた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...兼家は昨夜來て、窕子がゐないので、いくらかやけ氣味で、女のゐないところにこの樂しい正月を寢たつてしようがないなどと言つて、これからすぐ何處かに行きでもするやうに呉葉達を困らせたが、夜がもはや子の刻を過ぎてゐて何うにもならないので、そのまゝ靜まつて、いつもの一間に夜のものを暖く、裏の竹むらに夜風の騷ぐのを聞きながら窕子の殘して行つた鶯の歌のかへしなどを考へて一夜をすごした...
田山花袋 「道綱の母」
...侯が自ら内務大臣を兼摂したるものと認めて可なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...種々の気兼ねをしなければならなかった...
豊島与志雄 「理想の女」
...大正三年の夏欧洲(おうしゅう)戦争が始まってから玩具(がんぐ)雑貨の輸出を業とした兼太郎の店は大打撃を受けたので...
永井荷風 「雪解」
...」兼太郎は刎起(はねお)きて...
永井荷風 「雪解」
...鉄拳が飛び兼ねまじき勢いでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...お兼さんは勝手から出て来て座敷の縁側(えんがわ)に立っているらしい...
夏目漱石 「行人」
...少し乗出して智恵を貸しちゃ貰えまいか」兼吉がわざわざ神田までやって来たのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それもならぬとは言ひ兼ねました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その口惜(くや)しいことと申しては――」主人はまだその五十兩を忘れ兼ねた樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...検視が済むのを待ち兼ねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...のちパリ大学教授を兼任した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...亜米利加(アメリカ)の人は兼(かね)て日本人の魚類を好むと云(い)うことを能(よ)く知(しっ)て居るので...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...制作兼俳優のハーコート氏は自作の別話を展開しており...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...お兼は子を産まないためか...
山本周五郎 「青べか物語」
...浅草ではそんな気兼ねは向うにもこちらにも無い...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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