...兼ねて目星をつけて置いたのでございましょう...
芥川龍之介 「邪宗門」
...思兼尊(おもいかねのみこと)と手力雄尊(たぢからおのみこと)と...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...いつもフランス語のけいこを兼ねて...
石川三四郎 「浪」
...兼吉(かねきち)」流(なが)し場(ば)から細君の声で兼吉はほうきをおいて走っていく...
伊藤左千夫 「箸」
...帝国海軍の潜水艦伊号一〇一は、この日から、加州沿岸を去る二十キロメートルの海底の、兼(か)ねて、計画をしてあった屈竟(くっきょう)の隠れ場所に、ゴロンと横たわったまま、昼といわず夜といわず、睡眠病息者のように眠りつづけていた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...田中正造もまだ兼三郎といって藍の買入れに地方廻りをしていた頃のことだが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...団長は例の裸頭跣足主義で名高い高木兼寛氏である...
薄田泣菫 「茶話」
...兎に角一條禪閤兼良といふ人は舊來の階級をやかましく言つて統一の出來て居つた時代から見るので...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...「やだよう、兼ツつあん、構アねえこんなに土だらけにして」と泣聲を出したのはおいとの側に下枝を摘んで居た一番小さな子であつた...
長塚節 「芋掘り」
...校長住宅を兼ねた寄宿舎で...
中谷宇吉郎 「牧野伸顕伯の思い出」
...この丸薬と同じ物を作り兼ねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...養子にはしましたがあの通りの顔立ちですから」お兼は年を取ってもさすがに女でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...潤一郎の新作を待ち兼ねたり...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...「兼ねて耳驚かしたる二堂開帳す...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...富豪が頭を擡げて、田地を兼併した...
森鴎外 「古い手帳から」
...創立二十五年の祝賀を兼ねて終日...
山本笑月 「明治世相百話」
...いわゆる智勇を兼ね備えて来たので...
吉川英治 「上杉謙信」
...……おそらくはこれらの女も」木曾殿時代の夜をおもい合せて、兼好がふと、そばの女たちの色の沈みを、あわれと見ていると、道誉はその眼を邪(さまた)げるように、からかった...
吉川英治 「私本太平記」
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