...しかしおのおのの社会とおのおのの国家とはそれぞれ固有の始原および環境条件を具えている...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...君はまだ婦人美を具えない...
大杉栄 「獄中消息」
...患者の枕元に酸素吸入器も具え...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...世に立ってゆくについてはかなりに鋭い慧智のはたらきをも具えていた...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...いかなる文芸といえどもその取扱う資料が常識を具えた人間界のものである限り...
寺田寅彦 「文学の中の科学的要素」
...彼は少くとも大臣たるの器(うつわ)を具えたるを許さざるを得ず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...独自の社会的意義を公認され得る条件を具えており...
戸坂潤 「啓蒙の現代的意味と役割とについて」
...或いは文学的な風貌を具えていると云ってもよい...
戸坂潤 「日本の頭脳調べ」
...最も文化的な相貌を具えた一翼であることが...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...無数の抽出を具えるこのような頭脳...
豊島与志雄 「風景」
...簡素な豪華さを具えてるのである...
豊島与志雄 「北支点描」
...まだ形を具えない恐怖と歓喜との渾沌たる時刻である...
豊島与志雄 「真夜中から黎明まで」
...職業其物は体を具えて現(あら)はれて来(こ)なかつた...
夏目漱石 「それから」
...花は小梗を具え、その梗頂、花に接して二片の葉状有色の苞があって心臓状円形を呈している...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それは甘味があってしかも生(なま)で食う所がくだものの資格を具えておる...
正岡子規 「くだもの」
...そして専門家として技術的徳を具えることによって...
三木清 「哲学入門」
...定は不幸にして具えていなかったかも知れない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...神秘の前に無我になりやすい性質を具えていたことを意味し...
柳田国男 「山の人生」
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