...堂は六角堂で、本尊は観世音(かんぜおん)、浅草寺の元地であって、元の観音の本尊が祭られてあった所です...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...都に出た田舎びとが京の六角堂の鬼瓦をしげしげと眺めて...
辰野隆 「銷夏漫筆」
...六角堂へ来ると堂の前で立ち止まりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...六角堂で待合わせて...
中里介山 「大菩薩峠」
...それより念入りなのは三代男の、十八番に六角堂、我が思ふ心の内は六つのかどと、田舍聲のつれぶし、南紀大和路札うちて、都へのぼる比は、初の秋の半、商人折を待て見世を構へ店を飾り、是おやかたと呼かけ、馬具はいらぬか、葛籠うらふといふ聲喧しく、木棉の金入を出して錦をかやれ、判木に押たる名號をば法然の御手じやの、岱中の筆じやのといへば、それにして唯下直物を專と求む、或は本願寺の庭砂を戴いて瘧をおとし、誓願寺の茶湯を呑みて腹の下りのとまるも、皆正直の心から、後に四國四十六所順禮同行何人と書いたる此殊勝なる中に、十八計なる女の加賀の單なる絹に猿猴が手して美しき男攫むさま、今樣染のはでを盡して顏容風俗、都にさへかゝる姿はと目を驚す、まゐて田舍人には如何なる方なればとゆかしく連の順禮の手を引て、彼の美しき女順禮はと、ゆへを問ふに、凡そ此順禮は國所によりて變る習もおはすべけれど、我國には六十六所の數多く、しうるものを以て、座の上につく事にして、姿よく情ありても、此勤せぬ者は宜しきものゝ嫁にも取らず、婿にもせねば、若きは戀のためと名利、年寄たるものは後の世の種に、年々かくは詣づ、夫が中に此御方は、陸奧の内にてさる百姓分の人ながら、少し由ある方の娘、わきて情の心深く、僧正遍昭が歌のさまにはあらで、畫にかける男繪を見て、このやうなる君に情かわしてこそと、思ひ入江の海士小船、こがれて物をおもへど、近き國にはかゝる男色なし、此上は名にしあふ花の都人こそゆかしけれと、順禮にはあらぬ男修行の君、みづからと今一人の女も召使はれの者にて、共に此の事に心を運ぶ...
三田村鳶魚 「女順禮」
...一宇(う)の六角堂が目についた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...京の六角堂へ参籠するため...
吉川英治 「親鸞」
...そこの六角堂へ来ると...
吉川英治 「親鸞」
...六角堂のすぐ裏にあたる修学院の池である...
吉川英治 「親鸞」
...彼がこの六角堂の参籠を思い立った一月上旬のころには...
吉川英治 「親鸞」
...六角堂の扉(と)を排(お)しながらはっと思った...
吉川英治 「親鸞」
...六角堂で夜が明けてしまったのである...
吉川英治 「親鸞」
...京都六角堂の精舎(しょうじゃ)から...
吉川英治 「親鸞」
...六角堂の精舎(しょうじゃ)であった...
吉川英治 「親鸞」
...この六角堂へ籠って...
吉川英治 「親鸞」
...また、京都の六角堂は、そこの精舎へ、叡山(えいざん)から百夜(ももよ)のあいだ、求道(ぐどう)に燃え、死ぬか生きるかの悲壮なちかいを立てて通った床(ゆか)である...
吉川英治 「親鸞」
...あの六角堂の参籠(さんろう)や...
吉川英治 「親鸞」
...四条六角堂の木立を横にした大きな公卿やしきである...
吉川英治 「平の将門」
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