...皮膚の全面に、あらゆる方向へ動かうとする力が働いてゐるが、皮膚自身は、それに対して、毫(がう)も弾力を持つてゐない...
芥川龍之介 「酒虫」
...その全面に渉りて...
高木敏雄 「比較神話学」
...いつも作の全面に漲つてゐる...
田山録弥 「自他の融合」
...解釈というものの権利を科学的理論の全面に就いて承認する限り...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...侵略された内部の皮膚は乾燥した白い細粉を全面に漲らせ荒された茫茫たる沙漠のような色の中で僅かに貧しい細毛が所どころ昔の激烈な争いを物語りながら枯れかかって生えていた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...その血は忽(たちま)ち顔の全面に溢れたものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...固体の全面にある全部の霧が凍りつくであろう...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...自然主義者はこれを永久の真理の如くにいいなして吾人生活の全面に渉(わた)って強(し)いんとしつつある...
夏目漱石 「イズムの功過」
...痩せさらばえた身体の全面に...
火野葦平 「花と龍」
...この金属板を張った構内の壁の全面には...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...ああいう風に全面にふれているところに独特の妙味があります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...山の全面に山茶が生え...
柳田国男 「故郷七十年」
...もう別れねばならぬと思ううす冷い覚悟が視野の全面に漲って来て...
横光利一 「旅愁」
...ために、蜀兵の潰滅は、全面に及んで、しかも随所個々に殲滅され、関興のごときは、わけて敵に目ざされて、終日、退路を走り惑い、あやうく越吉元帥の鉄鎚に砕かれるような目に幾度も遭った...
吉川英治 「三国志」
...とたんにざッと舟全面に降った水玉も...
吉川英治 「私本太平記」
...別軍は千早谷を全面にわたって這いのぼれ」「妙見谷...
吉川英治 「私本太平記」
...とりでの外輪の全面に...
吉川英治 「私本太平記」
...細い弓身の全面にわたって唐風俗の舞踊者...
吉川英治 「正倉院展を観る」
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