...尤も多少の幸福は彼にも全然ない訣ではなかつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...――だから、先生はストリントベルクが、簡勁(かんけい)な筆で論評を加へて居る各種の演出法に対しても、先生自身の意見と云ふものは、全然ない...
芥川龍之介 「手巾」
...全然ないといってもいいくらいだ...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...附近に水たまりが全然ないせいであろう...
海野十三 「骸骨館」
...翻案は全然ない...
江戸川乱歩 「探偵小説このごろ」
...相川ではさう言ふ樂しい豫想は全然ないのです...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...右側には全然ない...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...佐竹の顔は肌理(きめ)も毛穴も全然ないてかてかに磨きあげられた乳白色の能面の感じであった...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...やはり外部から犯人の侵入した形跡は全然ない...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...また時には衰へさせる傾きが全然ないとは言はれないと私は思ふ...
田山録弥 「黒猫」
...グリーンホテルを緑屋などと訳してみた覚えは全然ないのであるが...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...そうかと言ってそういうことが全然ないということの証明もまたはなはだ困難であることだけは確かである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...しかし新婦にそのような様子は全然ない...
外村繁 「澪標」
...この方は可能性が全然ないとは言えない...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...「もし成果が全然ないのならね」「でも成果があったんです」と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...送電線の全然ない土地に...
武者金吉 「地震なまず」
...どこでもこういう話が全然ない事はない...
森於菟 「屍体異変」
...陸からの援助は全然ないから食料と水はだんだん欠乏してくる...
和辻哲郎 「鎖国」
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