...」しかし彼を慰めるものはまだ全然ない訣(わけ)ではなかった...
芥川龍之介 「彼」
...彼のイエルサレムへ赴(おもむ)いたのもペテロの彼を「メシア」と呼んだ影響も全然ないことはない...
芥川龍之介 「続西方の人」
...少くとも本に負う所の全然ないものは一つもなかった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...そこには侵略の意志が全然ないことが...
海野十三 「海底都市」
...あらためてそれに気を留める必要は全然ない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...又外國人には發音の困難を増すことも全然ないのである...
高田力 「ベーシック英語」
...第三幕の白人のくる場面は全然ないほうがいいと思った...
谷譲次 「踊る地平線」
...そうかと言ってそういうことが全然ないということの証明もまたはなはだ困難であることだけは確かである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...思い当ることが全然ないでもない...
中島敦 「山月記」
...水の心配が全然ないことになった...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...この話を聞いて「はああパスカルの原理というのがありますからね」といってその話全体をすっかり忘れてしまうような人が全然ないとはいえないのである...
中谷宇吉郎 「「光線の圧力」の話」
...それでは片仮名にはそんなものは全然ないかというと決してそうではないので...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...もちろんこの感嘆は卑下の気持が全然ないわけではないとしている...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...カブせるといふことが全然ない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...健全発剌たる精神が肉体も同じく健全発剌にしておく傾向は全然ないと云おうとするものではない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もっとも語るべきことが全然ないわけでもなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...どこでもこういう話が全然ない事はない...
森於菟 「屍体異変」
...何らか非常に重大なことを告げ知らせんためであるかも知れぬという可能性が全然ないかのごとくに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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