...少くとも本に負う所の全然ないものは一つもなかった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...――だから、先生はストリントベルクが、簡勁(かんけい)な筆で論評を加へて居る各種の演出法に対しても、先生自身の意見と云ふものは、全然ない...
芥川龍之介 「手巾」
...尊い人間の生命を脅かされることは全然ないんだからね...
海野十三 「地球発狂事件」
...尤もアメリカにも全然ないといふわけではなく...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...又外國人には發音の困難を増すことも全然ないのである...
高田力 「ベーシック英語」
...一体そういう心配は全然ないものだろうか...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...それが胎児の特異性に多少の効果を印銘することが全然ないとも限らないし...
寺田寅彦 「自由画稿」
...現状をはなれて抽象的に考えてみると連句的ジャーナリズムやジャーナリズム的連句といったようなものの可能性も全然ないとは考えられない...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...したがってもちろん自分には罪とがなんぞ全然ないものと思っているのだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...」父も母も自身が関東人式な好いでも悪いでもないといつた素気なさの全然ない俗人であつたために...
中原中也 「その頃の生活」
...曖昧な言い現わし方が全然ない点にある...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...空気中に塵(ちり)が全然ない時には...
中谷宇吉郎 「「茶碗の湯」のことなど」
...今までの資料が全然ないので...
中谷宇吉郎 「雪は資源である」
...ある個人が他の者以上に抑制の義務を実行しなければならぬと考えるべき理由は全然ない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もっとも語るべきことが全然ないわけでもなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...京都の杉苔のようになる望みは全然ない...
和辻哲郎 「京の四季」
...いわんや人類の教師とも言わるべき人々がその時代の大衆に認められたなどという例は、全然ない...
和辻哲郎 「孔子」
...陸からの援助は全然ないから食料と水はだんだん欠乏してくる...
和辻哲郎 「鎖国」
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