...唯此一点の霊火を以て全心を把持する故たらずとせむや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...幼き日は全心に沁み渡る恐怖と悲哀と寂寞と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...俺の全心は騷ぎ立つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これらの問題は今は余の全心を奪い去れり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...第十六講 ゾパル再び語る第二十章の研究◯ヨブは十九章において大なる啓示に接して光明全心に漲(みなぎ)るに至り...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...私は全心全身で私の新生活体制を結成しつゝあります...
種田山頭火 「一草庵日記」
...寝てゐた!「騙」全身全心で生きぬく時...
種田山頭火 「其中日記」
...私の全心全身をぶちまけた手紙だ(或は遺書といつてもよからう!)...
種田山頭火 「旅日記」
...全心をこめてるらしい調子の最中に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全心全力を傾けて...
火野葦平 「花と龍」
...――ハリイ男爵はこの肩に全心を打ち込んでいる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...歴史の明暗の全面に全心をもってふれ...
宮本百合子 「現代の心をこめて」
...おお何と珍しいと浴衣の肩をふって歩いていらっしゃる瞬間の印象を全心にうけた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...だってこんな細かい字、こんな全心の字、この位かけば目玉だってくたびれるわけですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼は全心の怒りの力でそのものに反抗した...
横光利一 「悲しみの代價」
...彼はそれに全心の熱情を燃え上らすことが出來るかどうか...
横光利一 「悲しみの代價」
...南大門の前に立つともう古寺の気分が全心を浸してしまう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...自分の求めるのは「御意(みこころ)のままに」という言葉を全心の確信によって発言し得る心境である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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