...少年の全心を緊張せしめた...
安倍能成 「初旅の残像」
...全心全力を傾注する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...余の全心全力を擲(なげう)ち余の命(いのち)を捨てても彼を救わんとする誠心(まごころ)をも省みず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...けれども是等の問題が其狼狽して居る頭に生じては消え生じては消えしつゝある時に「三の望はある」といふ醫者の言葉を耳にしてもう其等の問題を提出する遑もなく絶望中の此一條の光明に縋つてどうかして今一度恢復させて遣り度いといふ希望に全心を支配された...
高濱虚子 「續俳諧師」
...全心全力を傾けてゐるのである...
種田山頭火 「一草庵日記」
...□禅宗の師家が全心全身を傾到(マヽ)して一箇半箇を打出する如く...
種田山頭火 「其中日記」
...私は全心全身で精進してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...彼の人に接するや全心を挙げて接す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ただ己が全心を捧げて以て人に接するのみ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ただこの一誠以て全心を把持するが故にあらずや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...社交界のさまざまな樂しみに全心を打ちこんでゆくことの決してできない女で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...全心を打ちこんで熱烈真摯(しんし)に彼を愛している者も少なくなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...君の全心をあげて誓ってくれ...
豊島与志雄 「椎の木」
...おお何と珍しいと浴衣の肩をふって歩いていらっしゃる瞬間の印象を全心にうけた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...だってこんな細かい字、こんな全心の字、この位かけば目玉だってくたびれるわけですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼はそれに全心の熱情を燃え上らすことが出來るかどうか...
横光利一 「悲しみの代價」
...新らしい力が初めて全心に漲つて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...寂然として全心を其事に集中してゐる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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