...青くひそやかに全心を涵す可き無限の靜寂と――も亦我が豫感する心の上に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...全心を擧げて追求す可き目標も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...少年の全心を緊張せしめた...
安倍能成 「初旅の残像」
...汝をして内に顧みざらしめ汝の全心全力を以て汝の神と国とに尽さしめんがためなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...私はなき木崎初代に全心の愛を捧げていた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...全心的にもっとも明瞭なる時である...
大杉栄 「生の拡充」
...わたしは自分ではする気のないこの仕事に全心全霊全生命をうちこんでする人に告げたい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...けれども是等の問題が其狼狽して居る頭に生じては消え生じては消えしつゝある時に「三の望はある」といふ醫者の言葉を耳にしてもう其等の問題を提出する遑もなく絶望中の此一條の光明に縋つてどうかして今一度恢復させて遣り度いといふ希望に全心を支配された...
高濱虚子 「續俳諧師」
...私は全心全身で精進してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...螻子君夫妻の温情は全心全身にしみこんだ...
種田山頭火 「旅日記」
...研究主題に全心を奪われてしまうのである...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...彼女の全心全霊は火のやうに炎えあがり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...――そして見よ! その婦人は全心全霊うち震え...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...彼は全心を擧げて妻を愛してゐたのであつたが...
正宗白鳥 「奇怪な客」
...全身全心をうちかけて...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
...ヘーゲルが筋の立った理屈にまとめて考えていることを全身全心で感覚し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...文化芸術の事を為すには全身全心の誠を以てこれに当るに非ずんば...
三好十郎 「俳優への手紙」
...ある人々はついにこの要求に全心を占領させるのである...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
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