...幼き日は全心に沁み渡る恐怖と悲哀と寂寞と...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自分は全心の憎惡を以つて之を擯斥する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...少年の全心を緊張せしめた...
安倍能成 「初旅の残像」
...全心全力を傾注する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...小川さんが全心全身を以て書きあげた記述が...
高野六郎 「小島の春」
...全心を打ちこんで熱烈真摯(しんし)に彼を愛している者も少なくなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼はそれに全心を傾けた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の全心は感謝のうちに溶け去り...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...全心霊現象を否定することにはならない...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...全心は対象のない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...全心をそちらへ注いで...
正宗白鳥 「心の故郷」
...ヘーゲルが筋の立った理屈にまとめて考えていることを全身全心で感覚し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...だってこんな細かい字、こんな全心の字、この位かけば目玉だってくたびれるわけですもの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それに向ってなにほどの代償を払おうとしているか? 全心身は勿論...
三好十郎 「俳優への手紙」
...その新築地劇団を永続するように全心身の努力を払ってくれればよかった...
三好十郎 「俳優への手紙」
...ただそれを防がうとするためにのみ全心の思想を傾けて警戒して來た賤しい自分の胸へ...
横光利一 「悲しみの代價」
...極度に緊張した彼らの全心を奪うような烈しい身震いが...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...南大門の前に立つともう古寺の気分が全心を浸してしまう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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