...自分は全心の憎惡を以つて之を擯斥する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...今や義雄には樺太の事業に全心全力を注ぐのがそのいのちである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...小川さんが全心全身を以て書きあげた記述が...
高野六郎 「小島の春」
...私は全心全身で私の新生活体制を結成しつゝあります...
種田山頭火 「一草庵日記」
...酒のうまさが全心全身にしみいる...
種田山頭火 「行乞記」
...とにかく全心全身を句作にぶちこまなければなりません...
種田山頭火 「其中日記」
...私は全身全心を句作にぶちこみませう...
種田山頭火 「其中日記」
...私は全心全身で精進してゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...多年女ゆえに怠っている自分の天職に全心を傾倒しよう...
近松秋江 「狂乱」
...――そして見よ! その婦人は全心全霊うち震え...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...――ハリイ男爵はこの肩に全心を打ち込んでいる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...神は人間に複雑な全心的な恋愛の切な情を与えたのかと思われることさえある程です...
宮本百合子 「愛は神秘な修道場」
...この作者の全心から流れ出す初々しい生の感覚と愛の諧調で全篇がつらぬかれている...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...私の全心にとって...
宮本百合子 「偶感一語」
...芸術的感興というものがこのように全心的な燃焼を要求するからこそ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それに向ってなにほどの代償を払おうとしているか? 全心身は勿論...
三好十郎 「俳優への手紙」
...強烈な光燿と全心の軽快とを経験するのである...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...南大門の前に立つともう古寺の気分が全心を浸してしまう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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