...兎も角も今夜一夜を凌ぐ畫策を定めた...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...そして、あと一人になった時先にも申上げました通り私はその人殺しにも、もう飽きあきしてしまったのですが、それは兎も角、ではその九十九人をどんな風にして殺したか...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...しかし……」明智は何か少し不安らしい調子で「兎も角...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...兎も角疲れているだろうからという伯母の心遣いで...
江戸川乱歩 「黒手組」
...北川刑事と一寸法師私は諸戸の異様な挙動を理解することが出来なくて、独り取残されたまま、暫くはぼんやりしていたが、諸戸は、「明日来てくれ、その時すっかり話をする」と云ったのだから、兎も角、私は一先(ひとま)ず帰宅して明日を待つ外はなかった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...兎も角も奥へ請(しょう)じ入れて...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...後世までも聞えた名奉行は兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「兎も角、斯うしちや居られない、行つて見ませう」「何處へ? 親分」「當てはないが――多分西久保の邊だらうよ」老女をお靜に預けたまゝ、平次とガラツ八は、初夏の江戸の街を、一氣に西久保へ飛びました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と通り現場を調べると、雨戸は確かに主人山名屋五左衞門が開けたもの、寢卷(ねまき)の浴衣(ゆかた)を着たまゝ、人を迎へたか送つたか、兎も角、縁側に立つてうつかり月か何か眺めたところを、沓脱(くつぬぎ)に居る曲者が、下から脇差で、一と思ひに左乳の下を突き上げたものです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世間の思惑は兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角にも死骸の始末やら後の手続きやらを運ばせます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人を嘗(な)めたものですね」「兎も角も行って見よう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...匕首の持主は兎も角...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んか思案にくれた揚句、錢形の親分の智惠を借り度いから、あつしに引合はせて、口添へをしてくれといふことで」「お前の智惠ぢや間に合はなかつたのか」「色の諸わけか、金の工面ならあつしでも間に合ひますがね」「呆れた野郎だ、兎も角、路地の外でも覗いて見ろ、家が知れなくて迷つて居ちや、若い娘(こ)に氣の毒だ」「さうしませう、相手が綺麗な娘だけに、この邊にウロウロしてゐると、――待ちきれないやうで見つとも無いが」さう言ひ乍ら、八五郎は、路地の外、御臺所町の通りの方へ出て行きましたが、表通へ出る前に、何を見付けたか、「親分、大變ツ、早く、早く」と、あたり構はず張り上げるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角、感づかせるようなことをして貰っては困るぜ...
久生十蘭 「魔都」
...妾(せふ)は兎も角...
福田英子 「母となる」
...兎も角我慢して御覧なさい...
牧野信一 「F村での春」
...兎も角、景気好く騒いで、騒ぎ抜いで、大勝利を待つことだけが私達の最後の命なんだ...
牧野信一 「サクラの花びら」
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