...兎にも角にも心の底に強い頼みが出来た...
石川啄木 「鳥影」
...然し兎にも角にも昨日の浦を見おろしながら美人と噺をした...
長塚節 「佐渡が島」
...何の望みもない村松金之助に取っては兎にも角にも救いの神でした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...そして一時日本財界の王者的な地位まで押上(おしあ)げられ、兎角の評判はありながらも、兎にも角にも、目ざましい成功を遂げた事は、皆様もよく御存じのことと思います...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...檢屍の濟まぬ死體は、まだ家の中へ入れるわけには行きませんが、兎にも角にも、松五郎を家の中へ押し込め、人心地もないほど興奮する新助は、茂七を付けて寮へ引取らせ、直ぐ樣親の喜兵衞に來るやうにと、日本橋の相模屋(さがみや)まで使の者を出させました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも小僧を走らせて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも劬(なだ)めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は、兎にも角にも、宥(なだ)め勵まして引揚げる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも話の順序を立てさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その仕度が大變な騷ぎでしたが、兎にも角にも、三艘(ざう)の花見船が兩國から漕ぎ出したのは、よく晴れた三月の或日、白い眼で見られ乍らも、ガラツ八の八五郎は、萬兵衞に頼んで親船に乘ることになりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...犬畜生だつて、若くて綺麗な娘の血を吸ひ度くなるだらうぢやありませんか」八五郎の論理はしどろもどろですが、兎にも角にも、そんな事も考へられないではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――兎にも角にも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お艶の見て居る前で、それは難儀な捕物でしたが、兎にも角にも、下男幹助に縄を打って引立てたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも取亂した姿だけを改めさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三最初に佐久間町の丹波屋(たんばや)に行つた平次は、一人息子を亡くして、悲歎にくれてゐる兩親を慰めて、兎にも角にも、伜の清次郎の死體を見せてもらひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも、履物(はきもの)を突つかけて、生垣の外へ廻ると、杵太郎とお葉の退路を遮斷(しやだん)したらしく、何やら激しく言ひ合つてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも、それは一つの謎です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして兎にも角にもその山の頂上...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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