...兎にも角にも死の如き寂寞の中に物音を聞くのは珍らしい...
有島武郎 「秋」
...兎にも角にも藤の森まで参るようにと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...岸が高いのに水が淺いといふのであるから兎にも角にも川をのぼつて行くことにした...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...その間にモデルの多与里は、用意された衣裳を着けて、火見櫓の八百屋お七――存分に卑俗な題材であるにして、兎にも角にも、その頃の模範的な好尚にピタリとする、芝居振りの激情的を娘形になったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次は、兎にも角にも、宥(なだ)め勵まして引揚げる外はなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兄の瀧三郎を助けてくれと言ふのか、それとも、穴倉へ行つては八五郎が危いと言ふのか、それは判りませんが、兎にも角にも、八五郎ほどの男も、恐しい豫感にゾツと身内の顫へを感じないわけには行きません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にもお弓を久吉に會はせる手順だけはつきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも筋になります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...犬畜生だつて、若くて綺麗な娘の血を吸ひ度くなるだらうぢやありませんか」八五郎の論理はしどろもどろですが、兎にも角にも、そんな事も考へられないではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お艶の見てゐる前で、それは難儀な捕物でしたが、兎にも角にも、下男幹助に繩を打つて引立てたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お艶の見て居る前で、それは難儀な捕物でしたが、兎にも角にも、下男幹助に縄を打って引立てたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも宙を飛びました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも大したものですぜ親分」「それだけのものを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも大したものですぜ親分」「それ丈けのものを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも取亂した姿だけを改めさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三最初に佐久間町の丹波屋(たんばや)に行つた平次は、一人息子を亡くして、悲歎にくれてゐる兩親を慰めて、兎にも角にも、伜の清次郎の死體を見せてもらひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも、履物(はきもの)を突つかけて、生垣の外へ廻ると、杵太郎とお葉の退路を遮斷(しやだん)したらしく、何やら激しく言ひ合つてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも寺まで行つて見ようといふことになつた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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