...兎にも角にも藤の森まで参るようにと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...兎にも角にも河内介は...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...兎にも角にも、其の文をゆっくり御覧になった上、御自分で御分別をなさいまし...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...『写実』と言ふことは、兎にも角にも、紅葉其人の旗幟であつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...兎にも角にも夜明迄に國境を越えて宋の地に入らうとしたのである...
中島敦 「盈虚」
...もう一日捨てゝおいたらとてもよりつからぬといふので隣近所と「イヒドリ」をして兎にも角にも一日に摘みあげる手筈をした...
長塚節 「芋掘り」
...まあゆつくり休息して行けといふので兎にも角にも草鞋をとつてあがる...
長塚節 「佐渡が島」
...檢屍の濟まぬ死體は、まだ家の中へ入れるわけには行きませんが、兎にも角にも、松五郎を家の中へ押し込め、人心地もないほど興奮する新助は、茂七を付けて寮へ引取らせ、直ぐ樣親の喜兵衞に來るやうにと、日本橋の相模屋(さがみや)まで使の者を出させました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも劬(なだ)めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも、家の中の空氣の凪(な)ぐのを待つて平次は奉公人達から當らず觸らずの事だけを訊き出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも話の順序を立てさせました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも、後の世の歌麿、清長、豐國にもない、それは不思議な嬌態で、等身大の極彩色の美女が六人、滿身の媚(こび)を傾(かたむ)け、その魅力を鬪はせ、前から後ろからくね/\と觀る者に呼びかけるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お艶の見て居る前で、それは難儀な捕物でしたが、兎にも角にも、下男幹助に縄を打って引立てたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも宙を飛びました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも大したものですぜ親分」「それだけのものを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兎にも角にも大したものですぜ親分」「それ丈けのものを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十月の素袷(すあはせ)、平手で水つ洟(ぱな)を撫で上げ乍ら、突つかけ草履、前鼻緒がゆるんで、左の親指が少し蝮(まむし)にはなつて居るものゝ、十手を後ろ腰に、刷毛先(はけさき)が乾(いぬゐ)の方を向いて、兎にも角にも、馬鹿な威勢です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎にも角にも今の女子をして文明普通の常識を得せしめんと欲する者なり...
福沢諭吉 「新女大学」
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