...その友人が相變らず克明にだがうまく世に處して行くのを考へて見てもだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして克明に機械を調べてみたが...
薄田泣菫 「茶話」
...一々克明に窓から外へ投げる事にきめてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...いつも克明に小さな紙製の手帳につけてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...しかもひとたびそれらすべての根拠のうち最もすぐれたものを克明に考究し...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...彼女の筆は、克明に、辛辣に、微にいり細をうがって描寫する...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...指を一本ずつ克明にふいて手拭をかえす...
中勘助 「胆石」
...また一方彼は出草を望んでいる者、内地人に反感を抱いている者、そういう自分の腹心たり得る条件を具えている者を探しだしては、克明に秘密に、計画を打ちあけて行った...
中村地平 「霧の蕃社」
...古代の習俗を克明に保存しているだけあって...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...克明に名前を書き入れたのを見せながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...絮々細々と――文壇の術語で言へば克明に――書き立てた日本の文壇小説に至つては...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の追憶」
...これもまだ克明に目に残っている...
原民喜 「永遠のみどり」
...……裏どなりを克明に訊きこんで歩きますと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...克明に前進を続ける気力も失(う)せて...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...むしろ高座では軽々と我々が聞き逃がしてしまうであろうような描写会話を克明に正直に後世へ遺し伝えている点においてのみ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...克明に書いていた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...克明にたどり/\書いてゐるうち...
吉川英治 「折々の記」
...もしそれらの全部を克明に隅から隅まで読む者があったら...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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