...どこへ持って行った?」それからの騒ぎを一々克明にここに写している遑(いとま)はない...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...克明にそれを漆で継いだものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...何も夜更(よふか)ししてまで克明に答案を調べるにも及ばない...
薄田泣菫 「茶話」
...いつも克明に小さな紙製の手帳につけてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...それはとにかく「四時」「九時」と時刻を克明に書いている所に何となく自分の頭にある子規という人が出ているような気がする...
寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」
...指を一本ずつ克明にふいて手拭をかえす...
中勘助 「胆石」
...克明にこの記録をとり続けたのである...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...彼は小林に対して克明に律義(りちぎ)を守る細心の程度を示したくなかった...
夏目漱石 「明暗」
...それを克明に書き記して置いたばかりでなく...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...克明にお辞儀をすると...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...これもまだ克明に目に残っている...
原民喜 「永遠のみどり」
...克明に頁を繰っていくうちに...
久生十蘭 「海豹島」
...日暦(カレンダー)の日づけや草の葉の細かい葉脈まで克明に描(か)いてあり...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一人ずつ克明に訪問して歩いた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...死という自然現象を克明に追跡しながら...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)」
...ただ丹念克明に自分の耳や目にふれるものを全部拾い上げて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...克明にたどり/\書いてゐるうち...
吉川英治 「折々の記」
...山商人に引っ張りまわされて克明に視て歩いたところで...
吉川英治 「新書太閤記」
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