...厭戦の気分が将兵のすべてにはっきりと兆(きざ)し始めていた...
梅崎春生 「日の果て」
...恐ろしい前兆(ぜんちょう)のような気がしたからです...
江戸川乱歩 「黄金豹」
...敗北の前兆である...
太宰治 「かすかな声」
...そして心臓痲痺の前兆でもあるさうな(私は脳溢血を欣求してゐるが...
種田山頭火 「其中日記」
...波のうねりの機微なる兆候に対して尖鋭(せんえい)な直観的洞察力(どうさつりょく)をもっている...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...經學の性質は唐代に於て已に變化の兆候をあらはした...
内藤湖南 「概括的唐宋時代觀」
...契丹が何れ滅びる兆候があるからといふので...
内藤湖南 「女眞種族の同源傳説」
...なにか微妙な前兆をかぎつけたのである...
久生十蘭 「金狼」
...これは何か国家的な瑞兆に違いないというので「唄う鶴の噴水」の事は急に東京の市中でやかましく評判されるようになった...
久生十蘭 「魔都」
......
正岡子規 「俳諧大要」
...またかつて兆民居士(ちょうみんこじ)を評して...
正岡子規 「病牀六尺」
...僕が預って置く」私は思掛けずにモニカの肖像を手に入れたので再び彼女に邂逅(めぐりあ)う前兆のような気がして嬉しかった...
松本泰 「日蔭の街」
...ついには一兆マルクになるというような有様で...
三木清 「読書遍歴」
...それも無常の兆(きざし)かと思われる...
山田美妙 「武蔵野」
...恢復(かいふく)に向かうという兆(きざ)しは少しも認められなかった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...あたし何度も何度も見たわ」兆策は血の気(け)の失せかけた頬と額を...
夢野久作 「二重心臓」
...だが、凡下(ぼんげ)どもの戯(ざ)れ言(ごと)は、吉兆だぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...兆二郎は天井の穴に目をつけて...
吉川英治 「増長天王」
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