...それを自分の壊れる兆だと思ふのである...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...厭戦の気分が将兵のすべてにはっきりと兆(きざ)し始めていた...
梅崎春生 「日の果て」
...どろぼう入来の前兆と考えて...
太宰治 「春の盗賊」
...詩人梁川星巌の不忍池畔に居ったのは天保十年の夏より冬に至る間のことで画家酒巻立兆なるものの家に寓していたのである...
永井荷風 「上野」
...その卦兆の辞を見るに「魚の疲れ病み...
中島敦 「盈虚」
...死の近づいている兆(きざし)を湛(たた)えているのであった...
原民喜 「廃墟から」
...それに何ぞや国家的瑞兆だと! 不敬極まる話じゃないか...
久生十蘭 「魔都」
...青銅の鶴が還宮楽を咏ずるなんてえのは確かに何かの瑞兆に違いない...
久生十蘭 「魔都」
...軽兆候が見える程度のものだから...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...あきらかに回復の兆しをみせはじめているのに...
山川方夫 「愛のごとく」
...それまでは単に兆しに過ぎなかったものが...
山本周五郎 「落ち梅記」
...最近やや復興の兆もあるが...
山本笑月 「明治世相百話」
...人間の脳髄が全身三十兆の細胞の一粒一粒の中を動きまわる意識感覚の森羅万象(しんらばんしょう)を同時に照しあらわしている有様は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...しかも俺にとっては実に致命的な意味を含んだ脅迫状が……」「エッ……チョチョチョット待って下さい」江馬兆策は感動のあまり真白になった唇を震わした...
夢野久作 「二重心臓」
...またそんな亡兆(ぼうちょう)がありましたか」と...
吉川英治 「三国志」
...何の兆(しるし)もあらわれて来ない...
吉川英治 「三国志」
...発作的に精神病的な兆(きざし)を見せ始めたのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...不吉の前兆のような...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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