...前掲の凡兆(ぼんちょう)以下の句のごときに接するとちょっと面喰(めんく)らわざるを得なかったのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...猿簑の凡兆の句には一つの駄句もない...
太宰治 「天狗」
...あれがコイのヤマイの一ばんたしかな兆候だと思います...
太宰治 「トカトントン」
...今思うとそれが何かの前兆でもあるかのように急にぱったり歇(や)んで...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...あの方面だけは未だに減水の兆候がなく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...これが喜びを表わす兆候であるという事は始めての私にはすぐにはどうもふに落ちなかった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...「復興の瑞兆」が現われ始めた...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...何億何兆となく降って来て...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...既に騒擾の兆が現れて来た...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...聴く人はこれを孤児の死ぬ前兆と考えた...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...人間の脳髄が全身三十兆の細胞の一粒一粒の中を動きまわる意識感覚の森羅万象(しんらばんしょう)を同時に照しあらわしている有様は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...由良は丁度魔物でも見る前兆のような恐怖に襲われていたときとて...
横光利一 「馬車」
...まだその兆候(ちょうこう)は見えていないが……」と...
吉川英治 「江戸三国志」
...「これは大凶の兆(しら)せです...
吉川英治 「三国志」
...だが、凡下(ぼんげ)どもの戯(ざ)れ言(ごと)は、吉兆だぞ...
吉川英治 「私本太平記」
...天皇御謀反の兆(きざ)しが...
吉川英治 「私本太平記」
...むずかしい分子を孕(はら)んでいた一兆候を見せていたといってよい...
吉川英治 「私本太平記」
...早くも憂うべき破綻(はたん)の兆(きざ)しが事実となってあらわれた...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索