...大塊は恐らく人間の望を充たす為に造られたものであつた...
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats 芥川龍之介訳 「「ケルトの薄明」より」
...故に我等は唯普遍的自我に隨順することによつてのみ――その要求に從ひ若しくはその意志を充たすことによつてのみこれに奉仕することが出來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...みなおのおの肉慾の充たすべきものあればこそ然(しか)るなれと...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...人間の欲望を充たすためには...
海野十三 「地球要塞」
...三つの條件(じやうけん)を充たす地には大部落(だいぶらく)存(そん)せしならん...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...近くにある別の料理屋で辛(から)うじて食慾だけは充たすことができたが...
徳田秋声 「町の踊り場」
...何か観念論の関心を充たすために...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...つまり現代における思想のエーヤポケット(併し思想というものが何を意味するかに根本問題があるということを予め注意しておこう)を充たすべき或る尤もらしいものでさえあればいいので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...その室内者の胃の腑(ふ)を充たす悩みだけの時間であるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その空虚を充たすために個人主義が這入ってくるのは理の当然と申すよりほかに仕方がないのです...
夏目漱石 「私の個人主義」
...先天的後天的の欲求を充たすと同時に疑いもなく精神を修め人格を高める便宜品及び愉楽品を...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...彼自らの優雅な趣をもって我々の心を充たすから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...信濃川の水はいかに多くてもあれだけの広い低地を充たすには足らない...
柳田國男 「地名の研究」
...ちやうど潮が次第々々に高くなつて來てあらゆる物を充たすやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...十分彼らの心情を充たすに足る大事業であるためであり...
和辻哲郎 「院展遠望」
...今の社会ではもはやそれを有効に充たす方法がないのである...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
...なお次の小さい室は銀で二度充たすことになった...
和辻哲郎 「鎖国」
...何の躊躇(ちゅうちょ)もなくそれを充たすことができるのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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