...然(しか)るに野心を充たすための計画は浮んで来ても...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...やっと食堂の片隅に椅子を見出してそこで空腹を充たす...
高浜虚子 「丸の内」
...三つの條件(じやうけん)を充たす地には大部落(だいぶらく)存(そん)せしならん...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...現在の天気予報はかくのごとき要求を充たすためのものにあらず...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
... 210親を離れて足早き野犬の口を充たすべく...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...衝動は欲望を充たすことによって快を得る...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...それは散文文学としての小説の要求を充分に充たすことが出来ないという点だ...
戸坂潤 「所謂批評の「科学性」についての考察」
...シェストーフ乃至シェストーフ的なものの内容は如何にこの問題の解決の要求を充たすか...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そしてその空しい穴を充たすべき新らしい偶像がまだうち立てられていないからだ...
豊島与志雄 「偶像に就ての雑感」
...吾人(ごじん)の知識欲を充たすための統一函である...
夏目漱石 「イズムの功過」
...単位をすら充たす事の出来ない出来損(できそこ)ないでなければならない...
夏目漱石 「学者と名誉」
...萬能を誇り純粹客體以外何ものの存在をも認めぬといふやうな狂氣じみた幻覺に耽らぬ以上――かくの如き幻覺が若し事實として存在したならばそれは文字通りの狂氣であらうが――哲學はそれの志向を充たすために客體の世界において存在の區分と選擇とを行はねばならぬ...
波多野精一 「時と永遠」
...当時の美術学校の生徒の如きは余らの要求を充たす能はず...
正岡子規 「墨汁一滴」
...われわれの生を充たすプログラムの一つとしての演劇が大事なだけだ」と言うような事をしゃべった...
三好十郎 「冒した者」
...そこいら中にある小説はこの要求を充たすに足りない...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...彼自らの優雅な趣をもって我々の心を充たすから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今の社会ではもはやそれを有効に充たす方法がないのである...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
...芸術はかくして吾人の渇仰を充たすべきものである...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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