...子供は兄と弟とどちらがかわいいものと思うか」とお聞きになりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...また私の兄と弟とを指摘して兄弟三人...
太宰治 「女神」
...彼女が最前公爵の兄と弟について自分に私語したようなあのような猛烈な調子は...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...たまに兄と弟(おとと)が顔を合せると...
夏目漱石 「それから」
...彼は次兄と弟を誘つて外に出た...
原民喜 「永遠のみどり」
...開明を以て誇る英米人が兄弟をブラザー姉妹をシスターと言うて、兄と弟、姉と妹をそれぞれ手軽く言い顕(あらわ)す語がないのでアフリカ行の宣教師が聖書を講ずる際、某人(それがし)は某人(それがし)のブラザーだと説くと、黒人がそれは兄か弟かと問い返し返答に毎々困るというが(ラッツェル『人類史』二)、予もイタリア書に甥も孫もニポテとあるを見るごとにどっちか分らず大いに面喫(めんくら)う事である...
南方熊楠 「十二支考」
...遂にこの兄と弟とを中国の歴史と世界の文学史のなかで...
宮本百合子 「兄と弟」
...兄と弟という順を逆にして弟と兄とのことであったら...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...兄と弟とはこんなにちがうものと見えるのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...兄と弟を疎隔することは...
柳田国男 「雪国の春」
...兄と弟という肉親の情は別である...
山本周五郎 「新潮記」
...伊緒の実家でも兄と弟がお供に召された...
山本周五郎 「日本婦道記」
...相手側の弁護士は「双生児の兄と弟を区別する事は出来ない筈である...
夢野久作 「霊感!」
...兄と弟とが同じ屋根の下に住んで見苦しいかつ悲しい争闘を続けている家庭というものは...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...古来、兄と弟、叔父甥(おい)なども、戦(いくさ)となっては、思いを違(たが)え、別れがたい骨肉も、別れるためしはままある慣(なら)いと」「さまでな形相(ぎょうそう)とは」「正季一人のみか、辺りの面々までが申す...
吉川英治 「私本太平記」
...しかも哀しい骨肉の本能はかえって沸(たぎ)りに沸って体を離れた見えぬ虚空(こくう)で兄と弟のつかみあいをどうしようもなくしている長い沈黙なのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...空しく京へ立ち戻って来たが……骨肉の兄と弟とが...
吉川英治 「日本名婦伝」
...兄と弟一その日、黄瀬川(きせがわ)の宿駅には、何万という兵馬が屯(たむろ)した...
吉川英治 「源頼朝」
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