...船室で待っておいでよね」「まあ兄ちゃんちょっと待ってよ」「兄ちゃんのことはいいよ...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...「ああ兄ちゃん」とかなんとかいって...
海野十三 「人造人間エフ氏」
...見世物のほうにいってみようよ」「兄ちゃん...
海野十三 「電気鳩」
...「兄ちゃん、もうひとつのボートはいらないのでしょう...
海野十三 「電気鳩」
...「あっ兄ちゃん、またばくだんをおとすわよ」高一はくやしさにはがみをしました...
海野十三 「電気鳩」
...兄ちゃんが顔を泥だらけにした...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...兄ちゃんは、防空壕(ぼうくうごう)を掘っているのだよ...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...「久し振りね、実に、久し振りね、夏にも来てくださらなかったしさ、それから、春にも来てくださらなかったしさ、そうだ、ひどいひどい、去年の夏も来なかったんだ、なあんだ、貞子が卒業してから一回も吉田へ来なかったじゃないか、ばかにしてるわ、東京で文学をやってるんだってね、すごいねえ、貞子を忘れちゃったのね、堕落しているんじゃない? 兄ちゃん! こっちを向いて、顔を見せて! そうれ、ごらん、心にやましきものがあるから、こっちを向けない、堕落してるな、さては、堕落したな、丙種になるのは当り前さ、丙種だなんて、貞子が世間に恥ずかしいわ、志願しなさいよ、可哀想に可哀想に、男と生れて兵隊さんになれないなんて、私だったら泣いて、そうして、血判を押すわ、血判を三つも四つも押してみせる、兄ちゃん! でも本当はねえ、貞子は同情してるのよ、あの、あたしの手紙読んだ? 下手だったでしょう? おや、笑ったな、ちきしょうめ、あたしの手紙を軽蔑したな、そうよ、どうせ、あたしは下手よ、おっちょこちょいの化け猫ですよ、あたしの手紙の、深いふかあい、まごころを蹂躙(じゅうりん)するような悪漢は、のろって、のろって、のろい殺してやるから、そう思え! なんて、寒くない? 吉田は、寒いでしょう? その頸巻(くびまき)、いいわね、誰に編(あ)んでもらったの? いやなひと、にやにや笑いなんかしてさ、知っていますよ、節ちゃんさ、兄ちゃんにはね、あたしと節ちゃんと二人の女性しか無いのさ、なにせ丙種だから、どこへ行ったって、もてやしませんよ、そうでしょう? それだのに、意味ありげに、にやにや笑って、いかにも他にかくれたる女性でもあるような振りして、わあい、見破られた、ごめんね、怒った? 文学をやってるんですってね? むずかしい? お母さんがね、けさね、大失敗したのよ、そうしてみんなに軽蔑されたの、あのね、――」とめどが無いのである...
太宰治 「律子と貞子」
...でも色が白すぎて、そこんとこが気にいらないけど、でも、それでは貞子もあんまり慾張りね、がまんするわよ、兄ちゃん、こんど泣いた? 泣いたでしょう? いいえ、ハワイの事、決死的大空襲よ、なにせ生きて帰らぬ覚悟で母艦から飛び出したんだって、泣いたわよ、三度も泣いた、姉さんはね、あたしの泣きかたが大袈裟で、気障(きざ)ったらしいと言ったわ、姉さんはね、あれで、とっても口が悪いの、あたしは可哀想な子なのよ、いつも姉さんに怒られてばっかりいるの、立つ瀬が無いの、あたし職業婦人になるのよ、いい勤め口を捜して下さいね、あたし達だって徴用令をいただけるの、遠い所へ行きたいな、うそ、あんまり遠くだと、兄ちゃんと逢えないから、つまらない、あたし夢を見たの、兄ちゃんが、とっても派手な絣(かすり)の着物を着て、そうして死ぬんだってあたしに言って、富士山の絵を何枚も何枚も書くのよ、それが書き置きなんだってさ、おかしいでしょう? あたし、兄ちゃんも文学のためにとうとう気が変になったのかと思って、夢の中で、ずいぶん泣いたわ、おや、ニュースの時間、茶の間へラジオを聞きに行きましょう、兄ちゃん今夜、サフォの話を聞かせてよ、こないだ貞子はサフォの詩を読んだのよ、いいわねえ、いいえ、あたしなんかには、わからないの、でもサフォは可哀想なひとね、兄ちゃん知ってるでしょう? なんだ、知らないのか...
太宰治 「律子と貞子」
...ちょっとも兄ちゃんらしいことあれへんねん...
谷崎潤一郎 「細雪」
...兄ちゃんのところへは知らせてやったがね...
外村繁 「澪標」
...兄ちゃんと二人で見たよ...
永井隆 「この子を残して」
...「まア、いいわ、放っときよ……」貞子は、男にそう言われると、渋々奥へ這入って行ったが、礼子だけは、「兄ちゃん、泣かなくてもいいよ」と大きな下駄をはいて、啓吉のそばへしゃがんだ...
林芙美子 「泣虫小僧」
...兄ちゃんが猫にミミって名をつけたから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お兄ちゃんが可愛がっているから仕合わせです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「兄ちゃんこんなのよろこぶ」と云ったものだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...兄ちゃんや姉ちゃんは...
三好十郎 「斬られの仙太」
...町が見えら!子供二 取手の町だんで! 父ちゃん兄ちゃんが待っとるぞ!子供三 父うに会ったら...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
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