...わたしが毎日食つて、飲んで、寝てゐるから、それからわたしがいつかは年が寄つて、皺くちやになつて、頭が兀(は)げるから、食ふ事、飲む事、寝る事、頭の兀げる事、その外そんな馬鹿らしい事を、一々のべつに考へてゐなくてはならないと云ふのですか」と、もう好い加減に相手になつてゐるといふ調子で云つて、学士はその坐を立ちさうにした...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...肌の斑兀(まだらはげ)の様子なんざ...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...いずれも恐ろしい兀鷹(ズール)族なのだそうだが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...奇岩の兀立してゐるのが微かであるが...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...地上遙かに舞う鷲か兀鷹みたいに...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
......
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...海に没して巌角(いわかど)の突兀(とっこつ)たるところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...大山阿夫利山(おおやまあふりさん)が突兀(とっこつ)として...
中里介山 「大菩薩峠」
...ジイドは突兀として残つてゐるのである...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...利尻山の絶頂は突兀(とっこつ)として月下に聳えている...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...兀坐(ごつざ)瞑目(めいもく)して天上の理想界を画(えが)き出すも可なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...終日(ひねもす)兀坐(こつざ)する我讀書の下に...
森鴎外 「舞姫」
...その突兀として幾つも骨立した山頂を見せてゐるのも...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...兀突骨は悠々兵を引きあげた...
吉川英治 「三国志」
...「はてな? 少し脆(もろ)すぎるぞ」兀突骨も疑いだしたのだろう...
吉川英治 「三国志」
...そして彼の戟先(ほこさき)から逃げ走ったので、兀突骨は、「今こそ」と、拍車を加えて、追いかけにかかった...
吉川英治 「三国志」
...そしてここからも見える眼の前の――突兀(とっこつ)とした岩山の中腹までかかって行くと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...道元が趙州(じょうしゅう)の「若一生不レ離二叢林一、兀坐不道、十年五載、無三人喚二作唖漢一」を論じたなかに、「唖漢は道得なかるべしと学することなかれ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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