...消えて儚(はかな)くなりにけりか...
芥川龍之介 「片恋」
...つまり人は誰でも死ななければならないという事が儚(はか)ないことのようにも思われる...
高浜虚子 「俳句への道」
...実を結びがたい悩(なや)みと儚(はか)なさが露(あら)わにあらわれていて...
田中英光 「オリンポスの果実」
...ただ雪解けの荒野を当てもなくさまようようにへんに儚(はか)なく映ったのは仕方ないのだろう...
谷譲次 「踊る地平線」
...私は妻への儚い色情をさえ覚えるのだ...
外村繁 「夢幻泡影」
...なにか儚ない感じがする...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...わたしの儚(はかな)んだロマンスは上々のもので...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...切(せ)めて自分の運命の儚さを嘲笑ふ位なものである...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...此世を離れて暗い無限へ消えて行きそうになる時の儚(はかな)さ便りなさは...
二葉亭四迷 「平凡」
...二戸儚秋に偶然会って...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...儚(はか)なげに――こん...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」と儚ないやうな顏(かほ)をしていふ...
三島霜川 「虚弱」
...失恋の結果世を儚(はか)なみて...
夢野久作 「狂人は笑う」
...そうした儚(はか)ない追憶に耽(ふけ)るのは...
夢野久作 「木魂」
...世を儚(はかな)み世を無常とのみ観じていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...あわれなのはああした儚(はかな)い夢の中に生きがいを焦心(あせ)っている多くの男や女たちではあるまいか...
吉川英治 「親鸞」
...儚(はかな)い先のたのみをつないでみたり――為に...
吉川英治 「源頼朝」
...十うわさの程度でも、欣(よろこ)ぶであろうと、城太郎は話したのであったが、彼女にいわれてみれば、武蔵が姫路へ立ち寄るだろうなどという期待は、儚(はかな)い、こっちだけの空想にすぎない...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??