...ある儚さを汲み得る人とは...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...浜砂に儚(はかな)き夢の小草(おぐさ)かな五月五日 日本探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...ただ雪解けの荒野を当てもなくさまようようにへんに儚(はか)なく映ったのは仕方ないのだろう...
谷譲次 「踊る地平線」
......
野口雨情 「雨情民謡百篇」
...いまはみんな儚ないうたかたのやうなものであつた...
林芙美子 「雨」
...海ぞいの黍畑(きびばたけ)に何の願いぞも固き葉の颯々(さっさつ)と吹き荒れて二十五の女は真実命を切りたき思いなり真実死にたき思いなり伸びあがり伸び上りたる玉蜀黍(とうもろこし)は儚(はか)なや実が一ツああこんな感傷を手紙の中にいれる事は止めましょう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...儚(はかな)くも...
久生十蘭 「鈴木主水」
...二戸儚秋も来り、東宝入社のこと頼まれる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ことによるともう夏の終わりを思わせるような儚ささえただよっていて...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...真実を儚(は)かない態度とか...
宮本百合子 「科学の精神を」
...高館に登りて見れば小糠雨烟りて寒く朽ちかけし家のほとりの高き木に鳴く蝉かなし苔かほる古き木に倚りその昔の人をしのべど木々に吹く風も寂しく消えて行く思ひ儚し遠山の淡くけむりて北上は北の果よりその昔の夢を語らずうね/\とうねりて流る故郷を遠くはなれて旅に見る夢跡かなし生ひ繁る草木の緑高館に吹く風寒し...
森川義信 「高館」
...私がもう清浄な身体(からだ)でないこと……自分でもそうは思われないくらいの儚(はか)ない一刹那の出来事……それがタッタ一滴の血液の検査でわかるとは……...
夢野久作 「少女地獄」
...あぶくみたいな儚(はかな)さだ...
吉川英治 「大岡越前」
...また精兵弓馬や城塁(じょうるい)の一朝のまに儚(はかな)い消滅を告げて来たのを...
吉川英治 「新書太閤記」
...栄位や名利の儚(はかな)さを...
吉川英治 「新書太閤記」
...儚(はかな)いものを思わせられた...
吉川英治 「源頼朝」
...儚(はかな)いものよの」会葬者の一群は...
吉川英治 「源頼朝」
...十うわさの程度でも、欣(よろこ)ぶであろうと、城太郎は話したのであったが、彼女にいわれてみれば、武蔵が姫路へ立ち寄るだろうなどという期待は、儚(はかな)い、こっちだけの空想にすぎない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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