...袖に顔を蔽(おほ)つた儘...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...何かの拍子に無言の儘...
芥川龍之介 「上海游記」
...帽を阿弥陀に被つた儘で...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...危い危い! しかし此儘(このまま)見殺(みごろ)しが出来るもんじゃない...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...『信頼われに厚くして神託降るが儘に曰へ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...親から子に譲らるべき其儘(そのまま)の同じものとては一ツもない...
永井荷風 「虫干」
...この我儘(わがまま)な御主人(?)の引きつれた客人に粗相があってはならないという気持で...
中里介山 「大菩薩峠」
...予は腰を卸した儘峠の話をするとみんなが予の傍に來て無事を喜ぶと共に非常に驚いたのであつた...
長塚節 「痍のあと」
...どうしてえゝもんだか分(わか)んねえから畑(はたけ)耕(うな)つてた儘(まゝ)衣物(きもの)も着(き)ねえで斯(か)うして負(おぶ)つて來(き)たんだが」と百姓(ひやくしやう)はいつて...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は暫(しばら)く目(め)を瞑(つぶ)つた儘(まゝ)で居(ゐ)たが復(ま)たぱつちりと目(め)を開(あ)いた...
長塚節 「土」
...洋燈(らんぷ)を手(て)にした儘(まゝ)...
夏目漱石 「門」
...到底眼を開けて居る事に堪えられず其の儘崩折れる様に席の上に居眠って居たのであります...
西尾正 「陳情書」
...三十そこ/\で、放埒で、我儘で、惡く賢こくて、なまじ下々(しも/″\)の事に通じて居ては、凡そ扱ひにくい典型的な殿樣です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其儘家中を搜したのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――その儘動かない...
牧逸馬 「双面獣」
...心に思つてゐる嬉しさがありの儘に顔に現れてゐるのを正吉は見た...
牧野信一 「やぶ入の前夜」
...わたくしの問題は未解決の儘に存することとなるであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...よほど其儘自宅へ引返そうかと思った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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