...彼の命ずる儘に兵士を率ゐて...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...山男を一人残いた儘(まま)...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...教へられた儘の線路伝ひ...
石川啄木 「鳥影」
...其儘(そのまま)...
海野十三 「空襲葬送曲」
...五六丈の上から垂れ下つた藤蔓をたよりに浮島へ渡つて清めようとしたときに池の主が之を見込んでその儘ずるずると引き込んだと言ふ...
江南文三 「佐渡が島から」
...即ち生きた道徳生活の其儘の姿を會得する爲には更に他の手段を講ぜねばならぬ...
橘樸 「支那を識るの途」
...今更雪子にそんな我(わ)が儘(まま)を云わせては置けないし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...久しく委員の手に附托せられた儘になつてゐる排水工事案を解決して貰ひたいと云つてゐる...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...彼女のうちにはのんびりした我儘さが残っていて...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...親に対して甘えたり我儘をしたりする方面を...
豊島与志雄 「自由人」
......
永井荷風 「自選 荷風百句」
...手にも負えない我儘(わがまま)いっぱいの自由行動を黙認しながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからは年の若いのと運が向かないのとで家へ歸つた儘そここゝと彷徨つて別に目に立つことも無くて過ぎた...
長塚節 「商機」
...行燈(あんどん)も床もその儘になつて居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...従はぬ心はその儘そつとしてそれには触れずに...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...寒き夜の更長(こうた)けし徒然の儘に...
牧野信一 「青白き公園」
...恋愛はそれと同じ事で自分があの人を好むと思ったら何でも構わずその我儘を立て通すのだ...
村井弦斎 「食道楽」
...伏見へ着いたのでございます』『いやじゃ……わしは眠たい』『では、この儘、京都までのぼりますか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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