...「しかしかう云ふ我儘な河童と一しよになつた家族は気の毒ですね...
芥川龍之介 「河童」
...ありの儘の現實の中に高いものと低いものとの對立を感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...ノ混雜シタノヤ不得要領ナノモ故意ニ其儘ニシテ置イタ...
海野十三(佐野昌一) 「寺田先生と僕」
...老人が此儘死んでしまうようなことがあれば...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...その儘舞台を駆け下りてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...その周囲に勝手気儘に行動しつつあった人々を見た時の心持はどうであったろう...
高浜虚子 「子規居士と余」
...國手を待ち兼ねて春三郎は文太郎の傍に坐つた儘恐ろしい想像をらしては打消してゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...史料をその儘載せるべきであるとの説が出た...
内藤湖南 「支那史學史概要」
...君江の我儘(わがまま)を通させ銀行か会社の事務員になる事を許した...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...家(いえ)にのみ引籠(ひきこも)れば気随気儘(きずいきまま)の空想も門外世上の声に妨げ覚(さ)まさるる事なければ...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...忙(いそ)がしさうに臺所(だいどころ)の障子(しやうじ)を開(あ)け放(はな)した儘(まゝ)出(で)て來(き)て...
夏目漱石 「門」
...まだ何も彼もその儘ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私はシヤツの儘水に浸ると...
原民喜 「廃墟から」
...それは柏の所謂「愛の杯」から其儘抜出してきたような彼女が白衣の軽羅(うすもの)を纏って...
松本泰 「日蔭の街」
...典六の手振り放して跣足の儘表へ――典六も後から...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...有の儘に人生を楽しむことを教えられる気がするのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...不平そうに固くなった儘...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...手を堅く握りしめて胸のところに合せた儘(まま)...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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