...万事がこの我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく...
芥川龍之介 「疑惑」
...私は巻煙草を啣えた儘...
芥川龍之介 「上海游記」
...▲芽枝剪栽法 最初のトマトの花が大てい咲いた時、其儘に置くと、其花は実らずに萎んで了ふ...
石川三四郎 「百姓日記」
...その儘(まま)浄書もせずにあり...
石川啄木 「閑天地」
...松太郎は兩親と共に着のみ着の儘になつて...
石川啄木 「赤痢」
...お定はお八重の言ふが儘に...
石川啄木 「天鵞絨」
...三高を出るとその儘大学の文学部に移つた事だけが...
犬養健 「朧夜」
...儘ならぬ世の義理に心ならずとは言ひながら...
高山樗牛 「瀧口入道」
...幸ひに大師が此處に六枚なり七枚なりを其の儘採つて居られたから...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...去れど人ありて思(おもひ)の儘(まゝ)を書かんとして筆を執(と)れば...
夏目漱石 「人生」
...「延金(のべがね)の儘出(で)て来(く)るんです」と云つた...
夏目漱石 「それから」
...到底眼を開けて居る事に堪えられず其の儘崩折れる様に席の上に居眠って居たのであります...
西尾正 「陳情書」
...然るに乙者が二十五歳に成ると中々前の一弗の儘で無い...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...各自の知識あるいは趣味の程度によりて我儘を働くを以て自由を享有するように思うは当然のことである...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...舊(もと)のお店(みせ)がそつくり其儘(そのまゝ)同(おな)じ烟草店(たばこみせ)の能登(のと)やといふに成(な)つて居(ゐ)まするを...
樋口一葉 「十三夜」
...この儘明け方まで斯うしてゐなければならないのか!*悪い癖がついてしまつた...
牧野信一 「極夜の記」
...珍らしくもこの朝はその儘持ち堪へて...
牧野信一 「眠い一日」
...心の儘は牽強(けんきょう)の説であるが...
柳田國男 「地名の研究」
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