...すべてしろいもののなかにかくれふしてゆく僧形(そうぎやう)のばらの花...
大手拓次 「藍色の蟇」
...僧形の宇津木兵馬はその駕籠に附添うて寺の門を出て行くのを見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬は例の表(うわべ)だけの僧形(そうぎょう)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...僧形の同職がグッと砕けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...僧形の同職は、なお念をおして言いました、「かりにその時、退引(のっぴき)なく三年間というもの、この木曾山を公儀へお貸し申してみてごろうじませ、それはなるほど、木曾山山林だけで、大公儀の財政の急を救ったかも知れませんが、山はさんざんになって、この頭のような有様になってしまわないとも限りませぬ」といって僧形の同職は、自分の頭をツルツルと撫で廻し、「しかるに先生のお頭(つむり)のように、いつも若々しく緑の色鬱蒼(うっそう)と、この木曾の山が森林美を失わずにおられますのは、つまりその時の鈴木千七郎殿の舌一枚でございました」と言われて道庵がくすぐったい顔をして、自分の頭の即製のハゲかくしを撫でてみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...例の僧形の同職に送られて庭を歩く途中...
中里介山 「大菩薩峠」
...道庵と昔話の相手をしたその僧形(そうぎょう)の人体(にんてい)にも似ているようなのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...仮りにも出家僧形の身を...
中里介山 「大菩薩峠」
...「は」と、唾(つば)を呑むようにして、「僧形は、土部三斎どの……それに並んだは、大奥にすがっておるとうけたまわる、息女でいられると存じましたが……」「その外は?」「その外は、うしろの方に、脇田先生に背(そむ)きました、例の門倉平馬と申すが、控えておるのが見えました」と、答えると、師匠は、取るに足りぬと、いうように、頭を振って、「そのような者は兎(と)に角(かく)、そなたに取っての怨敵、一人を除く外はことごとく、あの東桟敷におりますぞ」心を動かすまいと、あらゆる折に気を引きしめている雪之丞、そう聴くと、思わず、「おッ!」と、叫んで、膝を乗り出して、「して、それは、誰々にござりまする?」「さ、すぐに、そのように、血相を変えるようでは――」「おお、あしゅうござりました」と、雪之丞は、両手をぴたりと突いて、「お師匠さま、お前をもはばからず、取りみだし、申しわけもござりませぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「僧形(そうぎょう)の私が姫君のそばにいることは遠慮すべきだとこれまでも思いながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二人共僧形(そうぎやう)に不似合(ふにあひ)な脇差(わきざし)を左の手に持つてゐる...
森鴎外 「大塩平八郎」
...僧形の雲水がいた...
吉川英治 「大岡越前」
...ここ数日前から約十名ばかりの僧形(そうぎょう)や...
吉川英治 「黒田如水」
...まぎれもなきひとりの僧形(そうぎょう)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...しかも僧形(そうぎょう)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...僧形たれば一人ものがすな...
吉川英治 「新書太閤記」
...僧形(そうぎょう)でこそあれ...
吉川英治 「新書太閤記」
...三名の僧形(そうぎょう)の人影が...
吉川英治 「親鸞」
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