...お袋の腹の中が梅毒(かさ)腐れで……俺の眼を見てくれ……沢庵(たくあん)と味噌汁(みそしる)だけで育ち上った人間……が僣越ならけだものでもいい...
有島武郎 「星座」
...殊更(ことさら)に勉(つと)めて他人(たにん)を教化(けうくわ)せんとするが如きは是(これ)を為す者の僣越(せんえつ)を示(しめ)し...
内村鑑三 「問答二三」
...はなはだ僣越のようですが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私などは僣越にも日本の思潮が根柢から変つたなどゝ思つた...
田山録弥 「雨の日に」
...これほど無意味な僣越な無知な言葉はあるまいと私は思ふ...
田山録弥 「現代と旋廻軸」
...また僣越にも私が何人かに困難と思はれるであらう一切のことがらを豫見し得ると私は確信しないのであるからして...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...あるいは僣越にも...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...また僣越にも私が何人かに困難と思われるであろう一切のことがらを予見し得ると私は確信しないのであるからして...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...自分のような門外漢がこの講座のこの特殊項目に筆を染めるという僣越(せんえつ)をあえてするに至った因縁について一言しておきたいと思う...
寺田寅彦 「映画芸術」
...まだ見ないのだが多分今度の杉村「博士」の論文は決して遜色あるものではなかろうと僣越ながら推測されるのである...
戸坂潤 「社会時評」
...われわれ一同なんて僣越なことはよしてもらおう』だが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それ以上は僣越だ...
長塚節 「教師」
...(さういふ仮定をするのは僣越だと考へる人があるなら...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...従つて政治的価値のなくなつた作品に芸術的価値を認めるのはやゝ僣越的誇大であると氏は叱正されるのである...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...茶樹の花序自分で大発見などとほざくのは、世間さまを憚らず、分際を弁えぬ大たわけ、僣越至極、沙汰の限りだと叱られるのは必定であるが、今心臓強くこれをがなるのは、そこに「事実」という犯し難い真理があるからである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...これを大発見と誇唱してもなんの僣越にもなりはしない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...芸術の事に専念するために味わなければならぬ少しばかりの不自由を苦難などと言うのは僣越の限りであろう...
三好十郎 「俳優への手紙」
...此の微笑の中で讀んだところで僣越でもなからう」...
吉江喬松 「山岳美觀」
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