...「一千一夜物語」は子供の間(あひだ)に知れ渡つてゐるにも拘(かか)はらず本当の値打が僅かに亜剌比亜(アラビア)語学者にしか認められてゐないと云ふ感慨が洩(も)れて出た...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...むかし鶴見祐輔氏が明政會で僅か一票で威力を示したことがあるように...
鮎川義介 「革命を待つ心」
...その為めに僅かな時間を得ても...
伊藤野枝 「惑ひ」
...風は革舟にはほんの僅かしか作用を及ぼさなかったので...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...九階(精養軒のある所)の屋根の上の僅かの空でそれと知る...
高浜虚子 「丸の内」
...幅僅か二間あまりの癖に眼くらむほど深い地隙には...
田中英光 「さようなら」
...僅かに記念物として保存されている軍艦三笠を...
豊島与志雄 「書かれざる作品」
...僅かに生存を維持するだけのような低級なものではなく...
豊島与志雄 「今日の条件」
...しかも飲み残しの僅かなものを...
豊島与志雄 「道標」
...同じ伊予の国内で僅か三里隔る大洲領内へさえ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...でも」「それが出來なかつたといふのだな」「――」お糸は僅かにうなづきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僅かな金のあるなしが...
久生十蘭 「金狼」
...そうしてその僅かな光も小屋を離れるにつれてだんだん幽かになりながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...同窓會で始めて紹介されてから僅かに三日目に...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...僅かばかしの借金にしばられて笹屋なんておかしな家に...
三好十郎 「樹氷」
...ごく僅かしか見えない...
三好十郎 「その人を知らず」
...中間僅か一百五十年余のほどに変移して...
柳田国男 「海上の道」
...僅かな税金を取る目的で埋めてしまった...
山本周五郎 「青べか物語」
便利!手書き漢字入力検索