...それは僅かに両国から亀沢町に至る元町通りか...
芥川龍之介 「本所両国」
...後の庭は奥行僅か十フィートであったが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...ほんの僅かな時間だったかも知れない...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...案外僅かばかりの焼けかたでこともなく消えてしまった...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...ここを行くこと僅かにしていのじヶ原がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...筑波は僅かに数千尺――山は高くないが名が高い...
中里介山 「大菩薩峠」
...残るところは僅か一字...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ストア尊者のオレリウスは僅かばかりの愁ひの面持で呟いだ...
牧野信一 「凩日記」
...じつに微々彷彿としてただ僅かに麝香の香いの気がするかのように感ずる程度にすぎなく...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...総ての自由は尽(ことごと)く余の身より奪ひ去られて僅かに残る一つの楽と一つの自由...
正岡子規 「墨汁一滴」
...世の中の女達はまあどんなにわたしを憐むことだらう? 僅かばかり持つてゐたものは...
水野仙子 「散歩」
...皆の頭の中にはお君の病気と云う事が僅かばかりこびりついて居るだけだった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...その無知をあれやこれやの僅かばかりの文化的な小ギレで装飾している...
三好十郎 「恐怖の季節」
...僅かの接触で戦くほどの繊細さにも...
柳宗悦 「雑器の美」
...持っていた僅かな貯えさえ底をついてしまった...
山本周五郎 「さぶ」
...その僅かな時間を生命と致して逃亡させて頂く考えでございます...
夢野久作 「暗黒公使」
...あまりに暗いため湿った塔状の植物が僅かに見えただけだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...僅かに離室とそれに隣つた湯殿とだけが無事だ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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