...彼等が、僅か五、六の名を思い出そうとして、一生懸命になったのは、一寸不思議だった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...五年振で歸つて僅か二夜を過した許りの自分は...
石川啄木 「葬列」
...自分の云つた事でさへ僅かな時間のたつた間に忘れて既でに次の自分の云つてゐる事に熱中してゐる...
伊藤野枝 「感想の断片」
...何でも短冊は僅か五...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...僅か二両か三両の資本(もと)で十両位浮く事がある...
内田魯庵 「貧書生」
...僅かに紙袋を缶詰に改めただけのことで...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...その頃は純粋の旅亭と申すは自分宅の外僅かに他に一軒あるのみにて...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...僅かな弟子があるので...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...二人は相ついで高いところから僅かの地面へ軽く飛び下りてしまっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...一キロワット時僅かに半セントである...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...そしてこの日から僅か旬日後...
中谷宇吉郎 「冬ごもり」
...婦人が「たとひ僅かに婦人の品位を保つに足る衣類だけしか着ることが出來なくなつたとしても...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...あの辺の貧乏な連中を僅かな実費で診てやっても...
三好十郎 「好日」
...僅かばかりの冷たい好奇心のようなものと...
三好十郎 「肌の匂い」
...僅かに文筆の間に稍おぼつかない記録を留むるのみであるが...
柳田國男 「夢と文芸」
...僅かな衣装や道具を売り...
山本周五郎 「日本婦道記」
...上段から打ちおろす刀を、僅かに躱したが、二の太刀は受けきれなかった...
山本周五郎 「風流太平記」
...そこでこれらのお話となると、なにぶん纏まった記録はなし、僅か三、四十年の昔が夢のように薄ぼんやり、思い出すのがひと苦労である...
山本笑月 「明治世相百話」
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