...僅かではあるが咽喉を通した...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...麻素子さんと帝國ホテルで死ぬはずであつた芥川が、驅けつけた僕に聞かせてゐた志賀禮讃の長時間にわたる壯烈で血を吐くやうな言葉の數かずは、僅かに、「或阿呆の一生」のなかの「家」に、彼は或郊外の二階の部屋に寢起きしてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...ほんの僅かの間で...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...僅か二年でその記者は神経衰弱に罹りました...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...僅かばかりあつた嫂さんのものも皆質屋に入れてしまつたし...
高濱虚子 「續俳諧師」
...誰かに僅かなお土産(みやげ)を買って行く...
太宰治 「ろまん燈籠」
...水谷からの僅かな金で暮してきた過去のことを...
豊島与志雄 「反抗」
...不自由することがどんなに僅かであるかについてジーモンの説明するのを...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...道光八年に僅か四十二歳で亡くなつた人であるが...
内藤湖南 「藏書家の話」
...僅か十五里以内のこの地点を歩んでいるのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...僅かに木を伐り下ろして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ごく僅かなものでした...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...ついでに出たらめの愛嬌話を添へて僅かに苦笑しようと思ふ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...中に僅かに普通の知友關係とバーやカフエの女給などがまじつているだけだ...
三好十郎 「肌の匂い」
...それこそえらい倹約ではないか! それはきわめて僅かな実体に多分の燃えるような夢想空想を交えた熱情である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...魚は僅かな塩物とあらばかり...
山本周五郎 「季節のない街」
...楽譜の反古(ほご)を掻分(かきわ)けて僅かばかりの席をつくってくれたが...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...御座所の御部屋の廣さは僅かに現今の四疊半敷にも足りない程度のものであつたに相違ないのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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