...すこうしほんの僅かにでも押が強ければ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...束縛のむすび目の僅かなゆるみをねらつて婦人の自覚を主張し出した自分達にしても...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...彼の前にリキュール杯が並ぶまでの僅かな時間さえ...
海野十三 「火葬国風景」
...僅か一本の太い鉄管を距(へだ)てて...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...……僅かのアルコールに僕の元気はすっかり恢復した...
海野十三 「深夜の市長」
...自分は突差に袂にある僅か七錢の金を手に握つた然うして見え隱れあとをつけた...
千家元麿 「自分は見た」
...翌日になると鶉は大半死んで僅かに二...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...順潮にすら/\筆が動いている時間はほんの僅かしかないのであるから...
谷崎潤一郎 「客ぎらい」
...僅かながらの正月の仕度...
豊島与志雄 「好意」
...彼が知ってる歌はごく僅かだったが...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...僅かに一町歩の植民地問題とは訳が違う...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...僅かばかりの盲點を利用したやり口です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それも僅か半日の夢...
久生十蘭 「魔都」
...僅かに最後の審判を免れてゐるのだとさへ考へられた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...あなたの言うように『読』者がごく僅かしかいないのは事実ですが『購』者は相当たくさんおりますからね...
三好十郎 「恐怖の季節」
...宮古(みやこ)・八戸(はちのへ)あたりの僅かな太平洋側の沿海だけに...
柳田国男 「海上の道」
...その切尖(きっさき)が僅かによごれているだけで...
山本周五郎 「日本婦道記」
...それは僅か二十日ほどの間の出来事であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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