...あどけなく見入って傾く...
泉鏡花 「婦系図」
...僧都 (頻(しきり)に頭(つむり)を傾く...
泉鏡花 「海神別荘」
...稍耳を傾く可きもの無しとせざるなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...『今一本如何、大藏大臣之を許すや否や』と云へば、十口坊首打傾く...
大町桂月 「川魚料理」
...傾く月を見返る男...
高山樗牛 「瀧口入道」
...其れとは無しに人の噂に耳を傾くれば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...日の足もはや西に傾く頃家に還るを見れば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...竜之助は再び耳を傾くるまでもなくそれと悟(さと)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼が須永に「君はますます偏窟(へんくつ)に傾くじゃないか」と調戯(からか)っても...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その忠言には耳傾くべきだと思つた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...もう西日に傾くころやっと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私の傾くところは次第に医師の指図に近よることになっていった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...判断に際して多少どちらかに傾くことを許した...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...歴史は傾くとも、その美に傾きはない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...彼れは世界の将来が生産的に傾くべきを論ずる其著述に於て...
山路愛山 「明治文学史」
...傾くフィルゼルの手からシャンパンが滴(したた)った...
横光利一 「上海」
...仲人の東野の周囲で起っている崩れ傾くひびきを思うと...
横光利一 「旅愁」
...一体に巴里(パリイ)人の趣味が一方に雷同して傾く事なく思ひ思ひに自分の素性(そせい)の同感する所を択(えら)んで自由に其れを研究し楽(たのし)んで行く風の盛(さかん)なのが面白い...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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