...あどけなく見入って傾く...
泉鏡花 「婦系図」
...どちらかに傾くかという...
江見水蔭 「備前天一坊」
...傾く月を見返る男...
高山樗牛 「瀧口入道」
...元来この種の問題の論議は勢い抽象的に傾くが故に...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...今回県令の更迭は今もいう如く岩村氏が民権主義に傾くという事からであるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...吹く風に逆(さから)いてしばらくはと共に傾くと見えしが...
夏目漱石 「幻影の盾」
...夕陽の傾くのを忘れて話し込んで居りました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...船が傾くとその窓から大洋(たいよう)の立浪(たつなみ)が能(よ)く見える...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...家系図もない貧しい男と運命を共にしてくれるかい?」メアリがラルフへ傾くと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...日脚が傾くに伴れて私の鼓動がたかまつた...
牧野信一 「熱い風」
...宮のお心はまだ自分へ傾くことはなくても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...若い姫君はまして二人の貴人を比較して見て大将に心の傾くことであろうと思われる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何ということもなくわたしが傾く方に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...傾く頃が冬至(とうじ)であり...
柳田国男 「海上の道」
...――傾く月の道見えて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...尽きぬ涙を手に受けつつ傾く...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...わななきて氷の上に傾く焚火(たきび)を...
與謝野寛 「妄動」
...好きか嫌ひかを問はれゝば「あまり好きではない」方に傾くだらう...
吉川英治 「折々の記」
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