...ジャガジャガと引っ掻いた傷みたいな符号は岩壁...
石川欣一 「山を思う」
...夕づつの往ぬるを傷み...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ふるえ上る私の傷みにはおもいやりのある好意であった...
鷹野つぎ 「窓」
...あの老紳士がどんな顔をして自分を見るだろうかと思うと彼は胸にずきりと傷みを覚えた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...又傷みなく靜穩に船に乘ること得べからず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...友を傷みて*汝今パトロクロスよ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...このごろの車の傷み方といったら...
永井隆 「この子を残して」
...この帰心のために田山白雲の心が傷みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...さして傷みもせずに交っております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人の心に食い込む秋思の傷みを咏(えい)じ尽(つく)して遺憾なく...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...驛路に見送る人人よ悲しみの底に齒がみしつつ告別の傷みに破る勿れ...
萩原朔太郎 「氷島」
...そこの土を踏むだけで傷みに顫(ふる)える...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...傷みやすくなっていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...傷みやすいあの人の心に...
水野仙子 「脱殼」
...みづからの胸の傷みを癒さむと飲む酒なればとがめたまふな酔へばいつか夢まぼろしの国に来ぬこの国をかしながく住まましわれ往かむかの獅子窟は酒ありて女もありて夢見るによし窓の外の霙の音を聴きながらきけばかなしき恋がたりかな洛陽の酒徒にまじりて或夜半は酔も身に染(し)む恋がたり聴く酔墨私が彼の女と始めて相見たのは或る年の正月のことであつた...
吉井勇 「酔狂録」
...華やかに今宵を過ごすはかえって心の傷み...
吉川英治 「剣難女難」
...――で、彼は悄然と、夜を傷みつつ、新野の道へ帰って行った...
吉川英治 「三国志」
...馬の脛ほど傷みやすいものはない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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