...傷ついた手には、二つの小さな赤い点が見えてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...地下鉄の終点だよ」男の声は矢張傷ついた獣のように苦しそうだったが...
梅崎春生 「蜆」
...メネラウスが傷ついたときは伝令がマカオンに送られ彼はとげのある矢を引きぬき傷を吸って...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...傷ついたりしてゐるから...
薄田泣菫 「茶話」
...夜を選んで孤獨で傷ついた野犬のやうに彼は姿を見せはしない...
千家元麿 「自分は見た」
...傷ついたゲルマンの鷲(わし)の鳥籠だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...傷ついた心、不具な理性を直してくれる病院はないものか...
寺田寅彦 「病院風景」
...(似ていると云えば、叡山の頂上も、草原であった――然し――)小太郎は、警固の人を斬り、父の傷ついた、篠竹(しのだけ)の深いところは、瞭乎(はっきり)、想い出せたが、頂上の草原は――草原であったような、無かったような、広かったような、そうでなかったような、そして、自分のそこでしたことは、見残した夢の如く、茫乎(ぼんやり)として、水の影の如く薄れて――ああしたことを、この自分が、本当にしたのであろうかというように思えた...
直木三十五 「南国太平記」
...傷ついた場所に冷やすための葉を載せ...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...死んではいけない」傷ついた幽里子を抱き上げて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...それは丁度傷ついた雄牛のような凄まじさでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すぐ側には傷ついた女学生が三四人横臥(おうが)していた...
原民喜 「夏の花」
...そして傷ついた獅子(しし)のように戦った...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...どんなに傷ついたか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...術もなく傷ついた青白い耳はころがってしまった...
正岡容 「小説 圓朝」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...傷ついた二人の手当にかかったが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...足はどこで傷ついたのか血を滲(にじ)ませているのである...
吉川英治 「親鸞」
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