...傲然とそり返っている船首を叩く波の音は絶望にむせび泣いているようであった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...傲慢(ごうまん)な調子で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...新酒を飲み過ぎて――貨幣価値で十三銭――とう/\酔つぱらつた、こゝまで来るともうぢつとしてはゐられない、宮崎の俳友との第二回会合は明後日あたりの約束だけれど、飛び出して汽車に乗る、列車内でも話が二つあつた、一つはとても元気な老人の健康を祝福した事、彼も私もいゝ機嫌だつたのだ、その二は傲慢な、その癖小心な商人を叱つてやつた事...
種田山頭火 「行乞記」
...つまり傲慢なペルリに通商を許すよりは...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...とにかく昌造壯年期のこの寫眞は、晩年の白髮の總髮とよく調和してゐる清らかな雙眼や柔和な痩せ面などいふのとまるでちがつて、右肩をそびやかし、やや横向きの顏の肉もまだあつくて角々があり、眉根をよせて一點を凝視してゐるところ、傲岸不屈、鬪志滿々たるものが溢れてゐて、これが同一人物かと思ふくらゐである...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...」だが「自己に対する厚き信頼、傲慢、自尊の如きを欠いて生ずる思想があるであろうか...
戸坂潤 「読書法」
...そういう下賤な徒輩の傲岸(ごうがん)な叫び声と暴力的な戦いをなすのを好まないで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無知と自身の無事とから来る傲慢(ごうまん)さをもって芸術を指導せんとする...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...日本を「傲慢な軍国」となし...
蜷川新 「天皇」
...飛んで火に入る傲慢(ごうまん)な敵を...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...俺は被告席に立たないぞ」そんな傲慢な宣言を...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...言下に傲然としてかう云ひ放つた...
正岡容 「東京万花鏡」
...怠惰と我執と傲慢とほど...
三木清 「人生論ノート」
...しばしば同じ傲慢から生れ出るのだというのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...信盛は傲語(ごうご)して発(た)ったそうだが...
吉川英治 「新書太閤記」
...それに代わるお方でもよろしい」傲岸(ごうがん)な態度である...
吉川英治 「親鸞」
...その方は平常から傲慢(ごうまん)で憎い奴だ」「坊主と武士(さむらい)...
吉川英治 「宮本武蔵」
...相変らず傲然と突立っているのであった...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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