...畢竟(ひっきょう)は意識の――それ自身が仮象であるところの――仮初(かりそ)めな遊戯に過ぎないと傍観する...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...懐手(ふところで)をして二人の折衝を傍観する居心地の悪い立場にあった...
有島武郎 「親子」
...しかし遅かれ早かれ将来においてはふたたび傍観する時がくるはずである...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...諸君はとうてい手をこまねいて傍観するに忍びないで...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...罪のない少女として傍観するより以上の気持になれなかったのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...その死滅と失墜とをただ傍観するのみであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...傍観するものは嗤(わら)ふ...
夏目漱石 「人生」
...客観的に傍観することの余裕を得て来るので...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...船室(サルーン)の入口のところにかたまって手をたばねて傍観するほかはなかった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...この時に当たりてこの事情を傍観するの理なし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...母に乳あるも態(わざ)と之を授(さず)けずして恰(あたか)も我子の生立を傍観する者なきにあらず...
福沢諭吉 「新女大学」
...空想に生命を託して人生を傍観するばかりで...
二葉亭四迷 「平凡」
...人の恋をするのを傍観するのは...
二葉亭四迷 「平凡」
...この嫌な自らの心を傍観する病的な快感もあつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...他人の施されてゐる光景さへも傍観するに忍びなかつた...
牧野信一 「剥製」
...一個の人として自由に傍観することが出来ぬのかと彼は自分が嘆かれるだけであつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...何も傍観することを徳として...
横光利一 「夜の靴」
...不利と見れば、退くか、傍観するか、恐らくその二つを出まい...
吉川英治 「新書太閤記」
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