...黄面の侏儒(しゆじゆ)が筋斗(きんと)の戯(ぎ)を傍観するが如くなりしと云ふ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...畢竟(ひっきょう)は意識の――それ自身が仮象であるところの――仮初(かりそ)めな遊戯に過ぎないと傍観する...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...しかし遅かれ早かれ将来においてはふたたび傍観する時がくるはずである...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...彼の敏捷(びんしょう)な行動を傍観する為にやって来た見物人に過ぎない様に見えた...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...罪のない少女として傍観するより以上の気持になれなかったのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...人を惨殺するのを傍観するのは別のことだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...私は黙ってそれを傍観するのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...むしろ冷静な興味を以てその変化に富んだ生涯を傍観するだけである...
永井荷風 「ひかげの花」
...傍観するものから見たら...
永井荷風 「来訪者」
...私は手のつけようのない人の苦痛を傍観する位置に立たせられてじっとしていた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...客観的に傍観することの余裕を得て来るので...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...船室(サルーン)の入口のところにかたまって手をたばねて傍観するほかはなかった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...聖王が手をこまねいて傍観するなどとは聞いたことがない...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...空想に生命を託して人生を傍観するばかりで...
二葉亭四迷 「平凡」
...きみの人生を傍観するつもりはない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...この嫌な自らの心を傍観する病的な快感もあつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...一個の人として自由に傍観することが出来ぬのかと彼は自分が嘆かれるだけであつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...私はこの世界の損失に対して傍観するに忍び得ない...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
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