...黄面の侏儒(しゆじゆ)が筋斗(きんと)の戯(ぎ)を傍観するが如くなりしと云ふ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...畢竟(ひっきょう)は意識の――それ自身が仮象であるところの――仮初(かりそ)めな遊戯に過ぎないと傍観する...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...私は黙ってそれを傍観するのだ...
豊島与志雄 「理想の女」
...私は手のつけようのない人の苦痛を傍観する位置に立たせられてじっとしていた...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...客観的に傍観することの余裕を得て来るので...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...末の弟の夜遊びを喜んで傍観する姉の態度で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この時に当たりてこの事情を傍観するの理なし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...母に乳あるも態(わざ)と之を授(さず)けずして恰(あたか)も我子の生立を傍観する者なきにあらず...
福沢諭吉 「新女大学」
...聖王が手をこまねいて傍観するなどとは聞いたことがない...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...空想に生命を託して人生を傍観するばかりで...
二葉亭四迷 「平凡」
...しかもシャレは抗議できず傍観するだろう」シャボー諜報員がうなずいてほほ笑んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...この嫌な自らの心を傍観する病的な快感もあつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...私はこの世界の損失に対して傍観するに忍び得ない...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...私はこの世界の損失に対して傍観するに忍び得ない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...皆手を束(つか)ねて戦慄しつつ遠くから傍観するばかりであったという...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...何も傍観することを徳として...
横光利一 「夜の靴」
...不利と見れば、退くか、傍観するか、恐らくその二つを出まい...
吉川英治 「新書太閤記」
...強情(ごうじょう)に妻の苦悩を傍観する...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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