...聞いていてつまらないものはない...
芥川龍之介 「片恋」
...今ではどんな田舎の片山里でも『金色夜叉』の名を知らないものはない...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...なに一つとして知らないものはないつもりでいるけれど...
海野十三 「蠅男」
...つまり音楽の与える快感ぐらい直截で簡明で手続きの要らないものはないと云うのだ...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...多少の意味を持って居ないものはない...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...つくづく女子といふものほどはかないものはないと思うた……』『そのやうなことはございませぬけれど……』『登子の君が何んなに困つてゐられるかと思うて……...
田山花袋 「道綱の母」
...今日(こんにち)では大抵の雑誌や新聞に清岡進の名を見ないものはないような勢(いきおい)になった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...自分はもしかの形式美の詩人テオフィル・ゴオチエエが凡そ美しき宇宙の現象にして文辞を以ていい現わせないものはないといったように...
永井荷風 「霊廟」
...その事の体(てい)を見て失笑しないものはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...正直ほど厭味(いやみ)のないものはないんだから...
夏目漱石 「三四郎」
...――足りないものはないのだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...これくらい物の役に立たないものはない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自然の働きの経過について彼に向って説法しようとあえてしないものはない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一つとしていろいろな動物に役立っていないものはないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...無銘品の前に名を恥じていないものはないからです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...過ぎてゆく時間に癒(いや)されないものはない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ないものはないんですからね...
横光利一 「上海」
...死と鬪つてゐないものはない...
吉川英治 「折々の記」
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