...仙太は傍らからのぞき込んだ...
犬田卯 「競馬」
...保科が傍らから微笑んでいました...
豊島与志雄 「旅だち」
...人に恨みを受けるような姉ではございません」「嗚呼(ああ)!」弁信法師が傍らから...
中里介山 「大菩薩峠」
...第一この番付からして笑わせる、海老蔵ほどの役者なら、下の方へ尋常に名前を並べて書いておいても、誰も見損じをするはずはない、またその方が奥床(おくゆか)しいのに、この通り、番付いっぱいに自分の名前を書き潰(つぶ)し、岩見重太郎でも、水戸黄門でも、下の方へ小さく記して得意げにしているところは、由緒(ゆいしょ)ある劇道の名家のなすべきところではなく、成上りの、緞帳役者(どんちょうやくしゃ)の振舞である――拙者のむかし見た海老蔵は、こんな薄っぺらなものじゃなかったよ――だから、これは何代目の海老蔵だと聞いているのだ」丸山勇仙も最初から、様子が少し変だとは思いましたが、「まあ、そこが芝居だよ」どこまでも仏頂寺をなだめてかかると、その傍らから、「タイセツ、ショサクジとは何だろう」と尋ねたのは、同行の壮士の一人であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...一刻たりとも我身の傍らから切り離すわけにはゆかぬ代物であつた...
牧野信一 「鬼の門」
...田甫道を行き尽して突きあたりの馬頭観音の傍らから坂道に差しかゝるまでそれとなく注意してゐたが...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...」青木が傍らから...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...先づあの部屋のランプの傍らから……」などと演説して...
牧野信一 「沼辺より」
...一緒になった四十がらみの大柄のいかにも奥様奥様した妻女お幸に傍らから団扇の風を送られながら...
正岡容 「圓朝花火」
...すると、童子が傍らから、「先生、この方が、いつも先生やお友達がよく噂しておいでになる劉玄徳というお人ですよ」と、告げた...
吉川英治 「三国志」
...驚嘆している傍らから...
吉川英治 「三国志」
...夫人の傍らから離れずにいた...
吉川英治 「三国志」
...平田三位が、傍らから、「御帰城後、きょうの御戦法について、御講評申し上ぐるでございましょう」と、いったが、信長はよくも聞かないで、その間に具足をかなぐり捨てて、水着一重(ひとえ)になって、河の深い所へ行って、涼しげに独りで泳ぎまわっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――もしごきげんを損じ切腹を仰せつけあるも御加増は断じてお返し申しあげまする」傍らから老臣たちが...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼が立ち入りかけた桃林の傍らから出てきて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...鄒淵(すうえん)がすぐその傍らから...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ご自由に遊ばして――」そう傍らからすすめても...
吉川英治 「源頼朝」
...すると、道の傍らから、「皆さん、どうもすみません」と、探しぬいていた朱実が姿をあらわして、もう歩き出している一行の中へ交じって、自分も共に尾(つ)いて歩きだした...
吉川英治 「宮本武蔵」
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