...満面に偽りのない愛嬌(あいきょう)を見せながら...
有島武郎 「或る女」
...嬢様も此人の真摯(まじめ)な偽りのない真情(まごころ)には余程動かされて同情の涙をお濺(そゝ)ぎなすつたらしいが...
内田魯庵 「犬物語」
...私はあなたの前に偽りのない事実をお話しいたします...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...奇抜なところをどうぞ――」「息づまるようなお話がうかがいたいのよ」「偽りのない...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...偽りのない現前社会の事実です...
高神覚昇 「般若心経講義」
...と云うのが偽りのない事情であるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...実は偽りのない下手(したで)に出たお延という女を見た例(ためし)がなかった...
夏目漱石 「明暗」
...しかも君に対する恋の執着はどうすることも出来なくなっている――それは偽りのない彼女の告白だ...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...うそ偽りのない清い心の持主を斥すのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...偽りのない女性であると思っていたので...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...偽りのない気持ちではあろうが...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...――二人の住む国……心と心の王国――詩の世界――偽りのない世界……そこで二人は...
牧野信一 「駒鳥の胸」
...けれども私の説明をその儘論文の中へ書き込むのは偽りのない所であった...
松永延造 「職工と微笑」
...堪えるとも! そのために死ぬことさえもあるというのに!(c)わざとおのれの身に傷をつけて自分の言葉に偽りのないことを信じさせるのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...偽りのない感情をあらわしているようであった...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「たしなみがないと云うのも自分としては偽りのない気持だろうし...
山本周五郎 「日本婦道記」
...偽りのない純粋無垢な愛情です...
横光利一 「旅愁」
...そして?」「頼(たの)み人(て)の名に偽りのないことは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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