...小波は小皺(こじわ)の寄った今日でも秀麗閑雅を偲(しの)ばせる美男だから...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...明治時代を偲(しの)ばせる旧式な洋館であったせいか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...昔を偲ぶ虎之助の墓でも見にお出でになりませんか...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...三十年前この土地で全盛を謡(うた)われたことを偲(しの)ばしめるに反して...
近松秋江 「狂乱」
...などと一念昔の親しき友情を偲んでいる中に...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...昔のエジプト人を偲ぶにはコプトを見るのが便利だと注意されたが...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...たまたまもって十八世紀末のイギリスの宮廷の長閑(のどか)な空気が偲(しの)ばれて面白い...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「亡き児を偲(しの)ぶ歌」は悲しくも身につまされる歌だ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...幸子の人柄も偲ばれて床しいことでした...
野村胡堂 「九つの鍵」
...故人を偲(しの)ぶ話ぐらいはあるでしょうが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これを受取った当人はどんなに故郷をなつかしく偲ぶのだろうと...
久生十蘭 「ノア」
...なおも父宮の御事が偲ばれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...消燈天国薄暮になると戸部の西洋牢時代を偲(しの)ばせる遺物の鐘が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...昼顔や切れぬ草鞋(わらじ)の板となる誰やらの句も偲(しの)ばれて...
吉川英治 「剣の四君子」
...父曹操の若い頃を偲(しの)ばせるほどのものがあった...
吉川英治 「三国志」
...その生前を偲(しの)び合っていた...
吉川英治 「三国志」
...「――偲(しの)ぶも涙...
吉川英治 「三国志」
...偲(しの)んでいただいた方が...
吉川英治 「新書太閤記」
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