...ビルマの夏の夜を偲んでいたのだ...
魯迅 井上紅梅訳 「鴨の喜劇」
...故人の人柄が偲ばれてゆかしい...
心猿 「九月朔日」
...研究当時の苦心を偲(しの)ぶかのようにジッと瞑目(めいもく)し...
海野十三 「キド効果」
...なにか人生の深遠さの偲ばれるようなこころ愉しさを思いやりながら...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...浅草の小屋のどぎつい芸風をちょっと偲(しの)ばせる...
高見順 「如何なる星の下に」
...「往時のアグリッパ浴場の盛観を偲(しの)ばしむる完全な古羅馬大公衆浴場を紙の上に創り上げ……」と...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...明治時代を偲(しの)ばせる旧式な洋館であったせいか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...亡くなった細君の人柄も偲(しの)べるようである...
谷崎潤一郎 「細雪」
...動物愛護を實地に教へてくれた慈母の俤を偲ぶのである...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...日本の秋の美しさを偲(しの)ばせる風趣が十分にある...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの秋」
...さすが昔の全盛を偲(しの)ばせて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...『古事記』に「怒」で書いてある「野」「角」「偲」「篠」「楽」などの語は今でも「ヌ」の音と見て「ヌ」「ツヌ」「シヌブ」「シヌ」「タヌシ」と読んでおりますが...
橋本進吉 「古代国語の音韻に就いて」
...惻々たるその音声にも男の真情が偲ばれてなかなか憐れ深いのであった...
久生十蘭 「魔都」
...松子はいまそのときの良人のおもかげを偲びながら...
山本周五郎 「日本婦道記」
...しかも、これに加うるに中国一流の華麗豪壮な調(ちょう)と、哀婉(あいえん)切々の情、悲歌慷慨(こうがい)の辞句と、誇張幽幻な趣と、拍案(はくあん)三嘆(たん)の熱とを以て縷述(るじゅつ)されてあるので、読む者をして百年の地上に明滅する種々雑多な人間の浮沈と文化の興亡とを、一巻に偲ばせて、転(うたた)深思(しんし)の感慨に耽(ふけ)らしめる魅力がある...
吉川英治 「三国志」
...在りし日の孔明を偲(しの)びながら...
吉川英治 「三国志」
...誰を偲(しの)んでいるのだろうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこの激闘を偲(しの)んで...
吉川英治 「新書太閤記」
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