...無事に健かに産れた児の顔を一目見ると...
泉鏡花 「婦系図」
...それは平素(ふだん)健かで...
薄田泣菫 「独楽園」
...引き緊つた健かな気持で眺められる...
薄田泣菫 「森の声」
...うれしや、健から着信、(期待した金高でなかつたのを物足らなく思ふとは何といふ罰あたりだらう!)街へ出かける、ほとんど半月ぶりの街頭散歩である、Y屋で為替券を現金に代へて貰つて、(今日は祭日なので)買へるだけ買つた、そのまへに払へるだけ払つてから...
種田山頭火 「一草庵日記」
...とりわけ健からのはうれしかった...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...『健かで……』『おん身も……』いつまで惜しんでもとても惜しみきれない別れだ! と思つて...
田山花袋 「道綱の母」
...ゴミか思たら健か...
壺井栄 「大根の葉」
...健かな血が、化粧した肌理(きめ)のいい頬に、美しく上っていた...
徳田秋声 「爛」
...そして健かであった...
豊島与志雄 「秋の幻」
...私が求めているのは、健かな豊満な、殴りつけてもびくともしないような、そして抱擁力の強い肉体をであった...
豊島与志雄 「悪夢」
...常に健かに息づいてゆく...
豊島与志雄 「作者の住む世界」
...人生の珍らしさと労働の健かさとが彼の心に夜明けと共に忍びこんで来るのであった...
豊島与志雄 「少年の死」
...今も何処かに健かにしておられるか知ら...
西田幾多郎 「アブセンス・オブ・マインド」
...我が造る諸善諸悪の源をかへすがへすも健かにせんこれも晶子哲学の真髄を示すものであり又自ら策励するものでもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...今度の子の健かならんことを祈つたであらう...
別所梅之助 「石を積む」
...どこか健かである...
柳宗悦 「工藝の道」
...健かに仕えよとて...
柳宗悦 「工藝の道」
...いつもご壮健か、イヤ、それは何より重畳(ちょうじょう)、して、いつ江戸表へお帰りでござった」久濶(きゅうかつ)の情を誇張して、いかにも親しげな表情である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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