...獄中に静坐していながらも体も至って健かになってきた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...人間の気分に一味の健かさを与えている...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...これさへあつたら健かでゐられよう...
薄田泣菫 「春菜」
...引き緊つた健かな気持で眺められる...
薄田泣菫 「森の声」
...『それでは――』『健かに』かう互に言ふ言葉がやがて藤と呉葉との間に取交された...
田山花袋 「道綱の母」
...ゴミか思たら健か...
壺井栄 「大根の葉」
...健かな呼吸(いき)の音をさせて吸っていた...
徳田秋声 「黴」
...」浅井は押入れの前にしゃがんで、手紙や書類を整理していたが、健かな荒い息が、口髭(くちひげ)を短く刈り込んだ鼻から通っていた...
徳田秋声 「爛」
...私が求めているのは、健かな豊満な、殴りつけてもびくともしないような、そして抱擁力の強い肉体をであった...
豊島与志雄 「悪夢」
...常に健かに息づいてゆく...
豊島与志雄 「作者の住む世界」
...常に輝かしい心と健かな希望とを失わない...
豊島与志雄 「生活について」
...自分を生かし他を生かす健かな光を放つ...
豊島与志雄 「野に声なし」
...人類の精神の流れが、根柢まで破壊された旧友朋の上に、新たな、健かな、生存の意義を見出そうとしている...
宮本百合子 「アワァビット」
...私は今も咲くその健かな花を見るために旅立ったのである...
柳宗悦 「北九州の窯」
...どこか健かである...
柳宗悦 「工藝の道」
...健かに仕えよとて...
柳宗悦 「工藝の道」
...体は壮健か」と濃(こま)やかに彼の悲情を慰めた...
吉川英治 「三国志」
...いつもご壮健か、イヤ、それは何より重畳(ちょうじょう)、して、いつ江戸表へお帰りでござった」久濶(きゅうかつ)の情を誇張して、いかにも親しげな表情である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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